26日の東京外国為替市場で円相場が14年4カ月ぶりの高値になる1ドル=86円29銭まで急上昇した。
昨秋のリーマン・ショック後の円高で、海外市場では今年1月に1ドル=87円10銭まで円高が進んだが、この日はこれを10カ月ぶりに突破した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
藤井裕久財務相が同日、円売り介入の可能性を示唆したが、市場関係者の間では政府・日銀が介入実施に踏み切ることに懐疑的な見方が優勢だ。
[「為替介入の効果」を英会話/ディベートのテーマとして]
一部には史上最高値の1ドル=79円を更新する可能性を指摘する声もある。
円高・ドル安が加速したきっかけは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が24日発表した議事録要旨で「秩序だったドル安」とドル安容認の姿勢をにじませたことだ。
<英会話/ディスカッション:米当局のドル安容認の思惑>
ドルの先安観が一段と強まるなか、ドル売りの受け皿として低金利の円にも資金が一気に流れ込んだ。
円買いの背景には日米金利の逆転がある。
短期金利の国際指標であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)6カ月物は今月に入り、円金利がドル金利を上回った。
《「異例の日米金利逆転」に関して英語にて解説》
しかも、物価変動を加味した実質金利では、物価がマイナスの円の方がさらに高めになる。
円高が進むと、輸出が減少して企業収益が悪化、設備投資や個人消費に悪影響を及ぼす。
ただ一方で、原燃料を輸入に頼る企業や個人には輸入品の値下がりによるメリットもある。
日本経済は輸出依存度が高いため、全体で見ると円高はマイナス面の方が大きい。
<英会話:円高による日本経済への打撃>
製造業の海外への生産拠点移転が加速する恐れもある。
[「製造業の空洞化」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
自動車や電機メーカーなどの多くが下期の想定為替レートを1ドル=90円に設定しており、これを上回る円高が定着すれば、業績の下振れ圧力が強まりかねない。
経営者の間で国内生産の維持が難しくなるとの危機感も強まっている。
円高加速を受け、株式市場でも輸出企業を中心に業績悪化懸念が高まっている。
《「強まる株安懸念」について英語記事》
26日の東京株式市場で日経平均株価は7月17日以来、約4カ月ぶりに9400円を割り込み、終値は前日比58円40銭(0.62%)安の9383円24銭だった。
全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)も8カ月連続でマイナスとなり、デフレが深刻化してきた。
限られたパイを奪い合うため利幅を削って価格競争を繰り広げている内需型産業も、円高が進めば輸入物価下落で、さらなるデフレ圧力が加わることになる。
輸出企業だけでなく内需型産業にとっても円高は重荷になる。
[「円高とデフレ」を英語論文のテーマとして]
27日の外国為替市場の円相場は一時1ドル=84円台、1ユーロ=126円台まで上昇した。
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系持ち株会社の資金繰り問題が表面化。
新興国経済や中東への貸し出しが多い欧州系銀行への不安感が高まり、円を買う動きに拍車がかかった。
円はユーロ売りの受け皿にもなっており、独歩高の様相を強めている。
<英語表現の工夫:独歩高>
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