国際オリンピック委員会(IOC)は2日、コペンハーゲンで開いた総会で2016年夏季五輪の開催地にリオデジャネイロ(ブラジル)を選出した。
南米での五輪開催は夏冬の大会を通じて初めて。
《「南米初の五輪開催」について英会話》
2度目の開催を目指した東京は2回目の投票で落選した。
昨年6月の1次選考を通過した立候補都市は東京、リオの他、オバマ大統領の地元シカゴ(米国)、IOCで大きな影響力を誇ったサマランチ前会長の後ろ盾があるマドリード(スペイン)。
〔英会話表現による言い換え〕
投票は過半数を得る都市が出るまで、最下位都市を振り落としながら繰り返されるが、1回目でシカゴが、2回目の投票で東京が落選。
決選投票は「南米初開催」という明確なメッセージを発信したリオが66票を獲得、4年前の雪辱を期したマドリード(32票)を引き離した。
<英語表現の工夫:雪辱を期す>
東京は「環境五輪」を前面に押し出し、政府による財政保証、コンパクトな会場配置、インフラの充実などを武器に招致レースに臨んだ。
《「東京が打ち出した環境対策」に関して英語にて解説》
1次選考はトップで通過、IOCが現地視察を踏まえ、9月上旬に公表した評価報告書でも他都市に見劣りがするとの指摘は受けなかった。
しかし、市民の支持率の低さに加え、ロビー活動の出遅れなどが影響したようだ。
[「東京落選の理由」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
招致演説では鳩山由紀夫首相を起用したが、得票にはつながらなかった。
日本は夏季五輪招致では1988年に名古屋、08年に大阪が相次いで敗れており、今回で3連敗となった。
ブラジルは90年代初めに五輪招致に動き出した。
当時は途上国として最大の1千億ドル余りの対外累積債務を抱え、誘致への環境も整っていなかった。
リオは04年と12年にも立候補に名乗りを上げたが、治安問題やインフラ整備の遅れがネックとなり最終候補に残らず敗退した。
<英語論説:ブラジルの治安問題>
今回も治安への不安などから、1次選考では絞り込まれた4都市の中で最下位の評価だった。
しかし9月のIOC評価報告書では一転して「とても質が高い計画」と評価が急上昇し、有力候補都市となっていた。
《「IOCの評価向上の要因」について英語記事》
ブラジルは14年にサッカー・ワールドカップ(W杯)開催も控え、10〜13年に3590億ドル(約32兆円)をインフラ整備に投資する計画だ。
政府は五輪開催で12万人の雇用が生まれると試算。
大規模なインフラ投資で同国の経済成長は加速する可能性が高い。
[「ブラジルの経済力」を英会話のトピックとして]
ブラジル中央銀行総裁はプレゼンテーションで「16年にブラジルの経済規模は(現在の10位から)世界5位になる」と語った。
BRICsの一角であるブラジルの勝利は新興国の躍進を象徴するものだ。
64年東京、88年ソウル、08年北京とアジア勢が五輪開催を機に成長のスピードを上げたように、五輪などの場での新興国の台頭は目覚しい。
<英会話/ディスカッション:新興国の五輪での台頭>
20年夏季五輪招致にインドが意欲を示し、10年にはアフリカ大陸初のサッカーW杯が南アフリカで開催される。
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