自民、公明、保守の与党三党は14日、国会内で少年問題プロジェクトチームの会合を開き、21日召集の臨時国会の重要な争点の1つである少年法改正問題について、続発する少年による凶悪犯罪の抑止に向けて厳罰化を前面に打ち出した与党案を正式決定した。
《「少年犯罪の凶悪化」について英会話》
刑事罰の適用年齢は現行の「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げられる。
現行の刑法は14歳以上に刑事罰を科すことを定めており、法的な整合性はとれる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
改正案の最大のポイントは、16歳以上の少年が重大事件を起こした場合、原則として家裁から検察に送り返す「逆送」(=刑事罰適用)としたことだ。
[「原則逆送の導入」を英会話/ディベートのテーマとして]
「原則逆送」の対象となる重大犯罪として、殺人、傷害致死、強盗致死、強姦致死、強制わいせつ致死、逮捕監禁致死の6つを挙げている。
交通事故などによる被害者の死亡などが想定される業務上過失致死は除外する。
最高裁の司法統計年報によると、98年に殺人事件で家裁の少年審判の処分を受けた少年は72人で、このうち逆送は15人。
殺人事件でも逆送される少年の割合は2割程度に過ぎない。
<英会話/ディスカッション:少年の逆送率の低さ>
背景に家庭や社会環境の問題があるとして、家裁が「少年院送致が適当」と判断し、少年の保護・更生を優先するケースが大半だからだ。
仮に「原則逆送」を忠実に適用すれば、これまでは少年院送致などの保護処分だった少年の多くが刑事罰対象として成人と同じように公開の裁判にかけられることになる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
逆送率は5〜7割程度に増えるとの予想もある。
少年審判への検察官関与の度合いは強まることになった。
殺人や強盗など2年以上の刑期が定められている犯罪については、家裁の裁量で検察官を審判に出席させることを認めた。
検察官は家裁が下した不処分、保護処分に関して抗告受理を申し立てることも可能となる。
《「事実認定の適正化」について英語にて解説》
少年犯罪の被害者への配慮としては、現在、非公開の少年審判の記録の閲覧・コピーができるようになる。
[「犯罪被害者への配慮」を英語論説のテーマとして]
また、被害者側の傍聴は認められなかったものの、家裁調査官による意見聴取の形で、被害者感情を少年審判に反映させる措置や審判結果の被害者側への通知が義務づけられた。
少年法そのものの適用年齢については現行の「20歳未満」を堅持する。
これには、少年法制定当時に比べると少年の精神的・肉体的成熟度は大きく変化しており、18歳での社会的自立は十分可能だとの立場から、「18歳未満」に引き下げるべきだとする意見もある。
《「少年法の適用年齢を巡る議論」に関して英語記事》
少年法の厳罰化は、刑罰よりも教育による更生を目指す少年法本来の理念を大きく後退させるとの批判がある。
<英会話/ディベート:少年法の厳罰化の是非>
犯罪の抑止効果についても現場では否定的な見方が多い。
特に「原則逆送」制度の導入には、家裁の多角的な判断に枠をはめ、それぞれに様々な事情を抱える少年たちを犯罪の外形だけで一律に刑事裁判で裁くことにつながると懸念する声が上がっている。
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