米国務省は16日、朝鮮民主主義人民共和国が今月初めの米朝高官協議の際、核兵器開発を継続していることを認めたとの声明を発表した。
《「北朝鮮の核開発問題」について英会話》
米政府は、北朝鮮が核開発を凍結することを前提とした1994年の米朝枠組み合意への違反に相当するとして、計画の即時中止を求めた。
声明によると、ケリー国務次官補が今月3日に平壌入りし、北朝鮮が数年前から核兵器用の濃縮ウラン開発を進めている証拠を突き付けたところ、北朝鮮側はこれを認めた上で、枠組み合意は既に無効であるとの判断を伝えてきたという。
[「枠組み合意の存在意義」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
声明は、北朝鮮による核開発計画について、枠組み合意だけでなく、核拡散防止条約(NPT)や国際原子力機関(IAEA)の保障措置協定などへの重大な違反であると非難。
今回の事態によって、北朝鮮が大量破壊兵器やミサイルの開発などを断念する代わりに、米側が経済支援や関係改善に応じる「大胆なアプローチ」を目指すことができなくなったと指摘した。
<英語記事:ブッシュ政権の北朝鮮政策の見直し>
米朝枠組み合意は、北朝鮮が93年にNPT脱退を宣言し、米国と一触即発の状態になったのを機に翌年10月に米朝両国が調印した。
〔英会話表現による言い換え〕
北朝鮮が寧辺にあった黒鉛減速炉での核開発を凍結する見返りに、米国などが軍事転用しにくい軽水炉型原発を提供、原子炉などの搬入前にIAEAの核査察を実施するというのが主な内容だ。
しかし、98年夏に米国の偵察衛星が寧辺とは別地域で核疑惑のある地下施設を建設していることを察知。
《「北朝鮮の核疑惑関連地点」に関して英語にて解説》
00年2月には、軽水炉建設の遅れを理由に、北朝鮮が核開発の凍結解除を示唆、IAEAによる核査察の前倒し実施を求める米国と駆け引きが続いた。
北朝鮮側の真意は不明だが、米国との関係悪化を承知の上で核開発を明らかにした背景には、イラク問題を抱えて朝鮮半島での軍事的緊張は回避したい米国から新たな譲歩を引き出す狙いがあるとみられる。
「核カード」を使った「瀬戸際外交」に近い行動に出たとの見方だ。
[「北朝鮮得意の瀬戸際外交」を英会話のトピックとして]
だとすれば、今後の米朝交渉の先行きは不透明になる。
専門家の間では、これまで秘密裏に進めてきた核開発計画の存在を認めることで、北朝鮮は米国との本格的な国交正常化を目指そうと決断したのではとの見方も消えていない。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
この場合は、今後の米朝協議を通じて、話し合いによる解決に道が開ける可能性もある。
先月17日に小泉純一郎首相と金正日総書記が署名した日朝平壌宣言では「朝鮮半島の核問題に関連するすべての国際的合意を順守する」と明記した。
その1カ月後に「重大な背信行為」が明らかになった形だ。
<英会話/ディスカッション:平壌宣言に対する背信>
北朝鮮が核開発の継続を認めたことで、日本政府は29日に再開する日朝国交正常化交渉で核・ミサイルなどの安全保障問題を前面に押し出さざるをえない。
[「正常化交渉への影響」を英語論説のテーマとして]
政府は日本人拉致事件の徹底的な真相究明と並んで、核開発の即時停止と核査察の全面受け入れを迫る方針だ。
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