1日午前9時15分ごろ、南シナ海上空で米海軍の偵察機EP3と中国軍のF8戦闘機が空中接触した。
米国機は中国南部の海南島に緊急着陸したが、中国機は墜落し、乗員1名が行方不明になっている。
[「軍が絡む国際的な事故」を英会話のトピックとして]
接触原因について米中双方の主張は食い違っている。
米国側は偶発的な事故であり、中国軍機の過失の可能性が高いとの見方を示した。
米太平洋軍司令部によると、EP3は沖縄の嘉手納基地を飛び立ち、南シナ海の公海上空で通常の監視飛行中に2機の中国機に針路を阻まれ、左翼が中国機の1機と接触、相当の損傷を受けたため最寄りの空港だった海南島に緊急着陸した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
一方、中国側は「米軍機が飛行ルールに反したために起きた。責任はすべて米軍にある」と抗議した。
[「中国側の強い態度」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
中国外務省によると、海南島の東南104キロの海上で中国軍機2機が米軍の偵察機を監視飛行中、米軍機が突然、方向を変えて向かってきたという。
中国当局は海南島に着陸した米偵察機の乗員24人を拘束。
米国は1日、中国政府に国際慣習に従って機体と乗員全員を速やかに返還するよう求め、2日には在北京米国大使館の駐在武官らが海南島入りしたが、乗員との面会を拒否された。
《「中国側の面会拒否」について英会話》
ブッシュ米大統領は記者会見で、乗員への接触を中国が拒んでいることについて「対応が鈍い」と不満を表明、乗員・機体の早期返還を求めた。
また、米国防総省は、米海軍の駆逐艦3隻を海南島付近に待機させることを決めた。
中国側に圧力をかける狙いとみられる。
《「返還を巡る米中間の駆け引き」に関して英語記事》
当面の焦点は、EP3の機体の扱いだ。
EP3は電子情報収集を目的とする偵察機で、機体はP3C対潜哨戒機と同型、4発のプロペラを持つ。
<英語にて解説:電子偵察機>
軍事施設や艦船、航空機が発する電波を集めて周波数などの情報を収集、分析するのが任務とされる。
EP3の機器の性能や収集した情報は米軍の中でも最高機密とされるため、機密漏洩を警戒する米国は機内に立ち入らないよう中国側に強く求めているが、ロイター通信は、EP3が海南島着陸後の最後の通信で、中国軍兵士が偵察機に乗り込んできたことを報告してきたと伝えている。
《「偵察機への立ち入り」に関して英会話/ディベート》
米軍の偵察機による情報収集活動は冷戦後、在日米軍基地を拠点に、中国や北朝鮮の沿岸一帯で目立って増えている。
<英会話/ディスカッション:在日基地を拠点とする情報収集>
米偵察機に対する中国機の追跡活動も珍しくない。
ただ、ここ数ヶ月の間に中国機の追跡が「危険なほど攻撃的」になっていたため、米側が注意を申し入れていたという。
米中両国は台湾への米国による武器売却問題を巡って神経戦を展開中だ。
[「武器輸出を巡る米中対立」を英語論説のテーマとして]
米国は、中国が台湾をにらんで移動式の弾道ミサイル基地の建設を急ピッチで進めているとみている。
今回事故にあったEP3は最新の通信傍受装置などを搭載し、場所の特定が極めて難しいとされる移動式ミサイル基地に関する情報収集に当たっていた可能性が大きい。
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