米カリフォルニア州で7日実施された知事リコール投票と後任知事選挙で、現職のデービス知事(民主党)のリコール成立と映画俳優アーノルド・シュワルツェネッガー氏(共和党)の新知事当選が確実になった。
《「シュワ氏の代表作」について英会話》
CNNなど米主要メディアが同日夜の開票締め切り後、出口調査などをもとに報じたところによると、リコールは賛成多数で成立する見通しだ。
知事解職は1921年のノースダコタ州以来82年ぶりで、米国史上2例目となる。
<英会話/ディスカッション:現職知事に対するリコール>
知事選ではシュワルツェネッガー氏の得票がライバル候補らを大きく上回り、圧勝の勢いだ。
同氏の当選が決まれば、レーガン米元大統領に続くハリウッド出身の同州知事が誕生する。
[「ハリウッド出身の州知事誕生」を英会話のトピックとして]
リコール署名集めが始まったのは今年2月。
《「リコールを巡る経緯」について英語にて解説》
デービス氏が就任した98年に黒字だった州財政は現時点で380億ドルもの赤字に転落した。
01年には電力対策が後手に回ったため、同州内はしばしば停電に見舞われた。
こうした失政に対する不満はあっという間に広がり、半年足らずでリコール投票実施に必要な署名数90万を大きく上回る160万を達成した。
シュワルツェネッガー氏は8月、人気テレビ番組で出馬を宣言、知名度を生かした選挙戦を展開した。
当初は政策論争を回避する姿勢が批判を浴びたが、9月下旬のテレビ討論会を無難に乗り切り支持を伸ばした。
銃規制の一部容認や同性愛者の権利擁護などリベラルな主張をしたこともあって、民主党支持者や無党派層にも浸透した。
選挙戦最終盤には過去のセクハラ問題やナチス礼賛疑惑が浮上したが、致命傷にはならず何とか逃げ切った。
〔英会話表現による言い換え〕
シュワルツェネッガー氏の勝因としては、現職知事が民主党支持者からも信頼を失っていたことも大きいようだ。
ワシントンポスト紙などの出口調査によると、リコール投票で民主党支持者の4人に1人が賛成票を投じている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
カリフォルニア州は現在、企業活動の停滞や移民の増加など課題が山積みだが、中でも最大の問題が巨額の財政赤字だ。
《「カリフォルニア州の財政危機」に関して英語記事》
シュワルツェネッガー氏は7日夜の勝利宣言で、改めて「増税なき財政再建」の実現に意欲を示したが、具体的な政策は明らかになっていない。
「新知事はおそらく財政再建に失敗する」との予測が早くも聞かれる。
民主党の牙城といわれるカリフォルニア州の知事選での勝利は、来年に大統領選を控えるブッシュ大統領にとっても追い風になりそうだ。
[「大統領選への影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
同州は大統領選で全米最多の55人の選挙人を有するダントツの大票田だ。
過去3回は民主党が毎回百万票近い大差をつけて制している。
史上最大の財政赤字を抱えるブッシュ政権は、今回の勝利を喜んでばかりもいられない。
財政赤字はすでに大統領選の最大の争点の1つとなっており、共和党のシュワルツェネッガー氏が財政再建に失敗すれば、ブッシュ大統領にも火の粉が降りかかるのは避けられないだろう。
<英語表現の工夫:火の粉が降りかかる>
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