サミット(主要国首脳会議)が開幕したジェノバで20日、サミット開催阻止を掲げる反グローバル派のデモ隊の一部と警官隊が衝突し、デモ参加者の1人が警官に頭を撃たれて死亡した。
《「サミットに対するデモでの死者」について英会話》
1万5千人が参加したデモは同日昼から、市内中心部にある首脳会議場のドゥカーレ宮殿を含む「レッドゾーン(特別警戒地区)」の周辺で激しくなった。
一部が暴徒化し、警官隊に向かって石や火炎瓶を投げつけながら突進、これに警官隊が催涙弾や放水、さらには威嚇射撃で応酬した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
この日の負傷者は180人を超し、地元メディアなどによると70人が身柄を拘束された。
反グローバル派とは、地球規模で市場メカニズムを浸透させようとする経済のグローバル化に反対運動をする勢力を指す。
彼らの考えの根底には、グローバル化は強者と弱者の格差拡大や環境破壊をもたらすだけだとの批判がある。
[「グローバル化批判」を英会話/ディベートのテーマとして]
環境保護団体、人権団体、労組、学生、無政府主義者など幅広い人々が参加している。
今回のサミットの会場となったジェノバには、世界各地から反グローバリズム団体などが集結した。
《「反グローバル派の結集」に関して英語記事》
これらの団体は社会団体、左派系団体、無政府主義的な団体の3つに大きく分けられる。
このうち、「騒ぎを起こすためだけに国際会議の開催都市を渡り歩く」という批判の対象になっているのが無政府主義的な団体だ。
ここ数年、反グローバル派による抗議デモは激しさを増し、国際会議が立ち往生する場面が増えている。
99年の米シアトルでの世界貿易機関(WTO)閣僚会合の決裂、スペインでの世界銀行会議の中止など、国際的な会合への影響は大きい。
<英語にて解説:反グローバル化デモの国際会議への影響>
サミット史上初めてデモで死者が出たことを受け、サミットに参加している主要8カ国の首脳は相次いで哀悼の意を表明した。
シラク仏大統領は「国際機関は反グローバルを唱える人々の声を聞く必要がある」と指摘した上で、サミットの運営方法を改めて見直す必要性を訴えた。
《「サミット運営方法の見直し」について英語論説》
反グローバル化を掲げる団体のデモは21日もジェノバ市内中心部で続いた。
前日の事件を受け、各団体はこの日を「怒りの日」として治安当局を非難する姿勢を強めている。
〔英会話表現による言い換え〕
また、サミット会場周辺の動きに呼応して、反グローバル派による抗議行動が欧州各地に広がった。
平和的な抗議デモを計画する穏健派の団体には、「暴力的な抗議ばかりが注目され、本来の要求が伝えにくくなった」との不満が強い。
[「平和的なデモ団体の不満」を英会話のトピックとして]
一部は「参加者の安全が確保できない」として、21日に計画されていた共同街頭デモへの参加を見合わせた。
各国首脳は同日、遺憾を表明する特別声明を発表し、合法的な市民デモの権利は尊重されると指摘する一方、一部の暴力的な抗議行動を非難した。
また、議長国であるイタリアは、首脳会合で今後のサミットの枠組みに労組や宗教団体、市民団体などとの対話を含めるよう提案したことを明らかにした。
<英会話/ディスカッション:主要国首脳による労組などとの対話>
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