インドネシア・西ティモールのアタンブアで6日、東ティモールの独立に反対する数百人の民兵が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を襲い、外国人職員3人が死亡、1人が行方不明、多数が重軽傷を負った。
《「UNHCRの活動」について英会話》
昨年9月の東ティモールの騒乱時に多数の避難民が流入してきて以来、西ティモールで死者が出る事件が起きたのは初めてだ。
[「東ティモールの独立と騒乱」を英語記事のトピックとして]
警察当局によると、犠牲者3人はクロアチア、プエルトリコ、エチオピア国籍のUNHCR職員。
UNHCRは現地で、約13万人の避難民に対する人道援助を続けてきた。
東ティモールは、昨年8月の住民投票でインドネシアからの独立を決めた後、騒乱状態になり、治安維持の責任を負っていたインドネシア政府は、国際社会からの強い批判にさらされた。
<英会話/ディスカッション:インドネシア政府の治安責任>
その後、同国政府は騒乱の責任者を追及してきたが、その最中に西ティモールで国連職員が民兵に殺害されたことで、治安維持能力の欠如をさらけ出す形となった。
UNHCR本部は6日、西ティモールから全職員を引き揚げることを決めた。
また、UNHCRの緒方貞子高等弁務官は、国連内で緊急記者会見し、「言葉はもう必要ない、具体的な行動を求める」と治安維持に本腰を入れてこなかったインドネシアを非難した。
〔英会話表現による言い換え〕
国連安全保障理事会は同日夕、緊急の非公式協議を開いた。
協議後、襲撃事件を「無法で、卑劣な振る舞い」と非難、インドネシア政府に対し、難民キャンプの治安改善や民兵組織の武装解除・解体に取り組むことを求める声明を発表した。
[「民兵の武装解除要求」を英会話のトピックとして]
インドネシアのユドヨノ調整相(政治・治安・社会担当)は7日、軍隊や警察部隊を西ティモールに派遣して事態の沈静化に努めるとともに、容疑者15人を拘束するなど事件の捜査に着手したことを明らかにした。
事件の背後関係については、「政治的思惑も否定できない」と語り、単なる民兵による襲撃事件ではない可能性も示唆した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
襲撃事件は、アタンブアを拠点とする民兵組織のリーダーでインドネシア最高検が東ティモール人権侵害事件に関与していたとして起訴する予定だった容疑者のオリビオ・メンドーサ氏が前日、自宅で殺害された事件が引き金になったとみられている。
<英語にて解説:東ティモール人権侵害事件>
今回、事件が起きたアタンブアは東ティモールとの境界に近いため、現在、難民が市の人口約3万人に対して約7万人もいる。
《「東ティモール難民問題」に関して英語論説》
中心部から郊外まで難民集落ができており、反独立派の民兵たちが難民に紛れて暮らしている。
反独立派幹部たちは住民投票での敗北を「独立派寄りの国連による不正」によるものと主張し、民兵の反国連感情を煽ってきた。
[「反独立派による扇動」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
特に難民帰還に取り組んでいるUNCHRは反独立派に格好の標的にされ、昨年10月の活動開始以来、百件を超える脅迫や襲撃を受けてきたという。
住民投票1周年に合わせて、反独立派民兵の活動が再び活発化していた。
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