政府は9日、臨時閣議を開き、イラク復興支援特別措置法に基づく基本計画を変更し、14日で駐留期限が切れる自衛隊の派遣期間を1年間延長することを決定した。
《「イラク派遣の基本計画」について英語にて解説》
小泉純一郎首相は閣議後に記者会見し、「日本外交の基本は日米同盟と国際協調の両立」と述べた上で、「この方針を具体的に実施に移すのが国益にかなう」と派遣継続の意義を強調した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
延長を決断した理由としては、「イラク政府や住民から自衛隊活動の継続要請があった」ことを挙げた。
また、北朝鮮の脅威を念頭に「日本の近隣諸国の状況を考えると日米安保条約が重要」とし、「米国も苦しい。同盟国として協力することが必要だ」と述べ、日米関係を重視したことを説明した。
[「首相の対米重視」を英会話のトピックとして]
派遣期間については、イラクの政治プロセスが順調に進めば、来年12月に新政府が発足し、国連安全保障理事会決議による多国籍軍の任務が終了する予定であることから「1年間の延長が妥当と判断した」と述べた。
<英語記事:イラクの政治プロセス>
一方、派遣期間内でも、「状況に応じて退避したり、一部活動を停止したり、臨機応変に対処する」と語り、状況が悪化すれば撤退もあり得ることを強く示唆した。
治安悪化を懸念する与野党の声や世論を意識したためだ。
変更された基本計画には、(1)現地の復興状況の変化(2)選挙の実施などイラクにおける政治プロセスの進展(3)イラク治安部隊の能力向上など現地の治安状況(4)多国籍軍の活動状況や構成の変化など、「諸事情をよく見極め、必要に応じ適切な措置を講じる」と明記された。
《「撤退4条件」に関して英会話/ディスカッション》
派遣期間を再延長する可能性については「将来、よく状況を見極めながら考えなければならない問題だ」と含みを持たせた。
《「含みを持たせる」について英語表現の工夫》
イラクの民主化プロセスの行方次第では、再延長を迫られる事態も否定できない。
自衛隊のイラク復興支援活動は2年目に入るが、自衛隊員の安全確保が引き続き大きな課題だ。
首相は自衛隊が駐留するサマワの治安状況について「予断を許さない厳しい状況だ」としつつも「今後も非戦闘地域の状況が続くと判断した」と語った。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
サマワの治安維持を担当しているオランダ軍は来年3月に撤退する。
治安維持機能の空白が懸念されていたが、その後は英国が直接受け持つ方向になった。
ただ、これまで数回にわたって陸上自衛隊宿営地に迫撃弾が撃ち込まれているほか、近郊では、イスラム教シーア派住民とスンニ派武装集団の間で銃撃戦も起きている。
《「サマワの治安に対する不安」について英会話》
来年1月30日に暫定国民議会選挙を控えるイラクでは中・北部を中心に、選挙に反対するスンニ派武装勢力や外国人テロリストによるテロが相次ぎ、治安は依然不安定だ。
今後は選挙結果や新憲法起草を巡りシーア派とスンニ派の対立が一段と深まり、最悪の場合は「内戦状態になる可能性」も指摘されている。
<英会話/ディスカッション:混迷するイラク情勢>
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