インドネシア大統領選の決選投票が20日実施され、総選挙委員会の開票などによると、ユドヨノ前政治・治安担当調整相が再選を目指すメガワティ大統領に勝利することが確実な情勢となった。
《「第1回投票」に関して英語記事》
同日午後11時時点の開票率は推定28%で、得票率はユドヨノ氏が59.7%を獲得し、メガワティ氏の40.3%に大差をつけた。
ユドヨノ氏の得票は全国32州のうち29州でメガワティ氏を上回っている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
人口が2億を超えるインドネシアではこれまで、国会議員や地方代表などで構成する国民協議会が正副大統領を選出していたが、独裁体制を繰り返さないため、02年の憲法改正で直接選挙制が導入された。
[「大統領の直接選挙制」を英会話のトピックとして]
同国初の国民直接投票となった今回の大統領選は、98年のスハルト政権崩壊後に始まった民主化の進展を内外に示した。
4月の総選挙から半年近く選挙戦が続いたが、懸念された支持者の衝突などはなく、フィリピン大統領選やインドの総選挙で死者が多数出たことに比べれば、極めて平穏だった。
東南アジアの大国が、選挙妨害などに絡む死傷者もなく民主的な選挙を実施できたことは、民主化の取り組みが遅れる周辺諸国に好影響を与えるだろう。
<英会話/ディスカッション:民主的選挙実施の意義>
選挙戦で、メガワティ陣営は第1党のゴルカル党やハムザ副大統領の開発統一党などと連立工作を進め、国会に一大会派を結成、組織動員による集票を目指した。
一方、支持基盤となる大政党などを持たないユドヨノ氏は浮動票の獲得に終始した。
結果は、民意が政党の組織力を跳ね返した格好となった。
《「組織力に勝った民意」について英会話》
今回の大統領選で争点となったのは経済問題だった。
インドネシアは1997年の経済危機後、他の東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国に比べて低成長が続き、失業が増加。
投資環境と治安の悪化で、頼みの外国投資も低迷している。
[「インドネシアの経済低迷」を英語論説のテーマとして]
ユドヨノ氏は選挙期間中、雇用の受け皿となる外資誘致のための環境整備を柱にした経済再生策を掲げ、幅広い支持を集めた。
一方、メガワティ大統領はマクロ経済を回復軌道に乗せた過去3年間の実績を強調。
だが、経済界には「現政権は経済を安定させたが改革には消極的」との不満も強い。
投資環境の改善でも現政権の対応は鈍く、不透明な通関・徴税システムや煩雑な投資認可手続きなどの問題が先送りされた。
〔英会話表現による言い換え〕
テロ対策など治安問題も争点だった。
<英語にて解説:直前に起きた豪州大使館前爆破テロ>
ユドヨノ氏はテロ対策として、新たな法整備や治安当局の能力強化、東南アジアや米、豪などとの協力強化などを訴え、 何よりも安全を望む国民の期待を吸収することに成功した。
2年間で3回の大規模テロを許す結果となったメガワティ大統領には、テロの連鎖を警戒する近隣国からも批判が目立つ。
《「メガワティ政権のテロ政策」に関して英会話/ディスカッション》
国民の約9割がイスラム教徒という同国の治安悪化や政情不安が周辺国に与える影響を懸念する声もある。
治安強化を訴えたユドヨノ氏の指導力に対する近隣国の期待は大きい。
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