日中両政府は25日、北京で東シナ海の天然ガス田開発問題を巡る局長級協議を開催した。
両国は日中の境界画定やガス田開発について自国の立場を主張したが、中国側は日中中間線付近で進めているガス田開発などについて具体的な情報を提供せず、協議は実質的進展がないまま終了した。
《「情報提供を渋る中国」について英会話》
対立の背景には、排他的経済水域(EEZ)の日中の境界が画定していないことがある。
通常のEEZは海岸線から200カイリだが、日中間では海域が重なる。
日本が海岸線から等距離の中間線を境界線と主張しているのに対し、中国は中間線から東に張り出した「大陸棚の先端」である沖縄トラフ(海溝)を境界とすべきだとしている。
[「日中双方の主張」を英語記事のトピックとして]
国連海洋法条約は、境界画定に合意ができていない場合、「関係国は最終合意への到達を危うくしないためにあらゆる努力を払う」と規定している。
このため、政府は国内企業による中間線付近での試掘調査申請を認めてこなかったが、今年7月、海底資源調査に踏み切った。
<英語にて解説:資源探査を実施してこなかった理由>
ガス田開発問題は昨年8月、中国が中間線からわずか4キロ中国寄りの春暁、同9キロの天外天の両ガス田を着工したことで浮上した。
《「中国側の一方的な開発」に関して英会話/ディスカッション》
いずれも中間線の中国側だが、ガス田は海底地下で日本側にも広がっている可能性が高い。
中川昭一経済産業相は6月、「日本の資源がストローのように吸い取られる」と中国に懸念を表明した。
今週になって、中国が中間線の日本側海域でも開発鉱区を複数設定した可能性が出てきた。
経産省によると、中国の石油会社がホームページ上に、中国当局から開発を認められたと記載していた事実があるという。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
政府はガス田開発や鉱区設定の問題で中国に情報提供を求めている。
中国は9日、ハノイで開かれた日中外相会談で今回の協議を提案。
18日には王毅駐日大使が町村信孝外相に「話し合いで問題を解決していくべきだ」と対話の姿勢を強調、東シナ海を「協力の海」にしたいとの考えを示した。
<英会話/ディスカッション:中国側の柔軟姿勢>
25日の協議で中国は、中間線付近で進めている春暁ガス田の開発で「中間線東側の(日本の)資源には影響はない」と述べるにとどまった。
日本側海域で設定しているとみられる鉱区についても「中国は同地域に鉱区を設定する権利はあるが、作業は行っていない」と繰り返す一方、「作業」についての説明はなかった。
[「協議での中国の対応」を英会話のトピックとして]
中国はかねてガス田の共同開発による解決を提案してきた。
今回の協議でも、ガス田の日中共同開発について「1つの出口と考えられる」と主張したが、日本側は「データ提供による事実確認が先決」と慎重な構えだ。
《「共同開発に対する日本の立場」に関して英語論説》
日中関係は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題を巡ってもギクシャクしている。
<英語表現の工夫:ギクシャクする>
エネルギー資源だけでなく、主権や安全保障も絡むガス田開発問題が歴史問題と並ぶ日中間の懸案に発展しそうな気配を見せており、政府は今後、対応に苦慮することになりそうだ。
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