二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出削減を先進国に義務づけた京都議定書が16日に発効した。
<英語記事:京都議定書の批准を巡る動き>
地球温暖化防止に向けた世界的な取り組みは、法的な拘束力をもつ新たな段階に入る。
京都議定書は、1997年に京都で開かれた国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で採択された。
条約にある「共通だが差異ある責任」の原則に基づいて、先進国がまず「差異ある責任」を果たすべく、議定書は、2008年から2012年(第1約束期間)における温暖化ガスの排出を先進国全体で1990年比5.2%(欧州8%、米国7%、日本6%)削減することを定めている。
《「京都議定書の問題点」に関して英会話/ディスカッション》
米国は01年、途上国の不参加や自国経済への打撃などを理由に、議定書から離脱した。
一方、排出削減策を着実に進めている欧州連合(EU)は昨年末、削減目標を「達成できる」との見通しを示した。
今年1月には独自のCO2排出権取引市場を創設、域内約1万2千の産業施設に排出枠を割り当て、不足・余剰分を売買する。
[「排出権取引の有効性」を英語論説のテーマとして]
日本が負う削減義務は第1約束期間に90年比6%だが、03年の排出量は90年比で8%程度増加しているため、実質的には14%も削減する必要がある。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
日本の排出削減策は現在、手詰まり状態だ。
排出量を部門別に見ると、基準年の90年から03年にかけ、工場など産業部門はほぼ横ばいだが、家庭やオフィスが使うエネルギー量は増え続け、排出量もそれぞれ28.9%増、36.9%増。
《「民生部門の排出増」について英会話》
運輸部門の排出量は自動車台数の増加で19.5%増えている。
経済産業省は今月、排出削減の自主計画達成が難しくなっている11業種を指摘した。
鉄鋼や電機など生産が好調な業種が目立ち、経済成長と温暖化防止の両立は容易ではない。
費用のかかる省エネ製品への買い替えもいまひとつ進まず、個人の環境意識に期待するだけでは不十分だ。
[「買い替え促進策」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
こうした状況を背景に環境税論議が高まっている。
環境税はガソリン、電気、ガスなどに課税してエネルギー消費を抑えると同時に税収を環境対策に充てることを目的とした税で、新税としての導入や既存のエネルギー税収の環境対策への転用といった案が出ている。
《「環境税の効果」について英語にて解説》
新税の旗振り役である環境省は昨年末、ガソリン1リットル当たり1.5円を新たに課税する案を打ち出したが、経済界は真っ向から反対している。
[「環境税導入による経済への影響」を英会話のトピックとして]
一方、道路特定財源である揮発油税の転用も検討されているが、これには公共事業関係者が反発、国土交通省も慎重な考えを示すなど、調整が難航している。
首相を長とする地球温暖化対策推進本部は、現行の地球温暖化対策推進大綱を練り直し、3月中にも京都議定書目標達成計画をまとめる。
<英語記事:削減目標達成に向けたスケジュール>
達成計画では、運輸、産業など部門別に達成目標を示す方針だ。
政府は実効性のある対策の策定を迫られている。
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