約1300万人の75歳以上の高齢者を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)が今月からスタートしたが、説明不足もあって混乱が広がっている。
15日からは保険料の年金からの天引きも始まる。
[「保険料の年金からの天引き」を英会話のトピックとして]
「4・15ショック」を懸念する声もある。
市町村を通じて送付された新しい保険証が加入者に届かないトラブルが各地で生じた。
昨年秋に政府・与党が保険料負担増の一部凍結を決めたこともあり、一部自治体では徴収システムの変更などが遅れ、今月からの天引き実施を断念した。
《「保険料負担増の一部凍結」に関して英語記事》
これから75歳以上の高齢者は、全員が新制度に加入することになり、一人一人が保険料を負担しなければならない。
保険料は、各都道府県内の全市町村が参加する「後期高齢者医療広域連合」が都道府県ごとに所得に応じて設定し、老人医療費が高い都道府県ほど高くなる。
<英会話/ディスカッション:保険料の格差>
政府の試算では全国平均で月額6千円程度とされる。
これまで子どもの扶養家族として保険料を負担していなかった約200万人の高齢者も、75歳になると保険料を支払うことになる。
保険料の軽減措置(激変緩和措置)で9月までの半年間は全額を免除されるが、その後は段階的に負担が増え、3年目からは本来の額になる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
新制度の財源負担は、公費(税金)から5割、現役世代からの支援が4割、被保険者である後期高齢者が支払う保険料から1割となっている。
しかし今後、高齢者が増加し現役世代が減少するため、高齢者の負担割合が上がることは避けられそうにない。
〔英会話表現による言い換え〕
将来どこまで保険料が引き上げられるのかは高齢者にとって大きな不安だ。
昨年11月に総務省が発表した推計人口によると、日本の総人口に占める75歳以上の高齢者の割合は初めて10%を超え、日本が超高齢化社会を迎えることは確実だ。
それに伴い65歳以上の老人医療費は膨れ上がり、国民医療費全体の約半分を占めるに至っている。
<英語にて解説:老人医療費の膨張>
こうしたことを背景に、高齢者と現役世代の負担の明確化と公平化を図るとともに、医療費増大に歯止めをかけることを主な目的として、後期高齢者医療制度が実施されることになった。
[「世代間の公平性」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
保険料が年金から天引きされることに批判が集中している。
しかし天引きをやめても、保険料を払う必要があることに変わりはない。
それでもお年寄りが拒否反応を示すのは、天引き後の年金額では生活できないのではないかという不安感が強いからだろう。
《「年金生活への不安」について英会話》
年金制度の改革を急がねばならないことが改めて浮き彫りになった。
民主党など野党は今国会に後期高齢者医療制度廃止法案を提出している。
また、新制度のスタート直前になって地方議会では、中止や見直しを求める意見書が相次いで採択された。
政府には、問題点を指摘する声に耳を傾け、必要があれば躊躇せず制度を見直す柔軟な姿勢を求めたい。
<英語論説:後期高齢者医療制度の問題点>
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