英国スコットランドのグレンイーグルズで主要国首脳会議(G8サミット)が開幕して2日目の7日朝、首都ロンドン中心部の地下鉄車両やバスで、4件の爆発が約1時間以内に連続して起きた。
《「地下鉄やバスでの爆破テロ」について英会話》死者の数は50人を超え、負傷者は約700人にのぼった。
ロンドンは前日、2012年の夏季オリンピックの開催地に決定し、歓喜の渦に包まれたばかりだった。
午前8時50分ごろ、欧州最大の金融街「シティー」にあるリバプール・ストリート駅に向かう地下鉄車両で爆発が起きたのをはじめ、地下鉄車両内で計3回の爆発があった。
<英語にて解説:ロンドンの金融街シティー>
午前9時47分ごろには、大英博物館に近いラッセル広場周辺を走行中の2階建てバスの車内で爆発が起き、2階部分が吹き飛んだ。
トニー・ブレア英首相はグレンイーグルズで緊急記者会見を行い、サミット開催にタイミングを合わせた同時爆破テロと断定した。
01年9月の米同時多発テロ以来、英国は米国ブッシュ政権と歩調を合わせ、アフガニスタン空爆とイラク攻撃に参加しており、以前から国際テロ組織アルカイダなどの標的になっていた。
[「対テロ戦争への参加」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
16日には、実行犯4人すべての名前が公表され、事件当日の朝に4人を写した監視カメラの画像が公開された。
画像は、爆発物が入っていたと見られるリュックサックを背負った4人がロンドン北郊のルートン駅構内に入っていく姿をとらえていた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
一方、今回の事件の背後関係について警察当局は明らかにしていないが、その規模や手口から見てアルカイダ系のグループが関与しているとの見方が有力だ。
<英語論説:アルカイダ関与のテロ>
今回テロの標的となった地下鉄やバスは、有効なテロ防止策がとりにくい。
米国では01年9月の同時多発テロ以降、旅客機や空港内の警備は格段に強化された。
しかし、主要鉄道駅や大都市の地下鉄駅では金属探知機が導入されておらず、ほとんど手付かずの状態が続いてきた。
各国は、公共交通機関の警備体制をこれまで以上に強化する必要がある。
《「公共交通機関のテロ対策」に関して英会話/ディスカッション》
G8サミットの参加国は米同時多発テロ以来、結束してテロとの戦いに取り組んできた。
それだけに、サミット開催中に厳戒態勢を敷いていた当の開催国で同時爆破テロが発生したことの衝撃は計り知れない。
[「サミット開催国でのテロ」を英会話のトピックとして]
今回の事件はまた、欧州社会に国際テロのネットワークが深く根付いていることを、改めて浮き彫りにした。
昨年3月、スペインの首都マドリードでアルカイダ系組織による列車同時爆破テロが発生し、200人近い死者を出した。
《「マドリードの列車同時爆破テロ」に関して英語記事》
イラクに派遣されていたスペイン軍部隊は同年5月に撤退を完了している。
テロ攻撃は日本にとって対岸の火事ではない。
<英語表現の工夫:対岸の火事>
日本はイラクを攻撃した米国や英国などの国々と同調してイラクに自衛隊を駐留させている。
浮き足立つことはないが、政府は起こりうるテロに対して警戒態勢の整備を再検討しなければならないだろう。
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