14日の参議院本会議で、日本国憲法の改正手続きを定める国民投票法が、自民・公明両党の賛成多数で可決、成立した。
《「憲法改正」について英会話》
民主党など野党は審議が不十分だとして反対した。
1947年5月の憲法施行から60年、初めて改正に必要な法的手続きが整ったことになる。
憲法第96条は改正手続きについて、衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を必要とすると定めている。
《「憲法第96条」に関して英語にて解説》
だが、国民投票の具体的な手続きについては何も規定していない。
06年5月、与党と民主党はそれぞれ衆議院へ国民投票法案を提出した。
自民、公明、民主の3党は、共同修正による法案成立を目指したが、修正協議は決裂した。
<英語記事:修正協議決裂の原因>
その結果、今年3月に与党が単独で修正案を提出し、4月13日の衆議院本会議で与党の賛成多数で可決された。
成立した国民投票法によると、憲法改正原案について審理を行う憲法審査会を国会に設置するが、公布から3年間は改正原案の発議を凍結する。
また、国民投票については、(1)投票年齢は18歳以上、(2)国会発議後60日から180日の期間を経た後に国民投票を実施、(3)有効投票の過半数の賛成で成立、(4)公務員や教員の地位を利用した投票運動の禁止、(5)テレビ・ラジオによるコマーシャルは投票日の2週間前から禁止、などを定めている。
[「国民投票法の定める投票年齢」を英会話のトピックとして]
国民投票法は、手続き法に過ぎないとはいえ、憲法論議と密接に関係する重要な法案である。
それだけに政党間の幅広い合意形成に基づいて制定されるべきものであり、少なくとも与党と野党第1党・民主党の間で合意に達することが望ましかった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
2000年の憲法調査会の設置以来、与党と民主党は、国民投票法には党利党略を絡めないとの了解の下に、一致点を見いだすべく調整を続けてきた。
《「党利党略を絡める」について英語表現の工夫》
ところが今年1月、安倍晋三首相が憲法改正を7月の参院選の争点とする考えを表明したことで、法案審議が政局の様相を呈することになった。
国民投票法自体にも疑問点は多い。
<英語論説:国民投票法の問題点>
テレビ・ラジオによるCMの規制に対しては、メディアの自主性を尊重すべきとの声が小さくない。
また、公務員や教員の投票運動に対する規制についても、具体的にどんな行為を指しているのか不明だ。
中でも、一定の投票率に満たなければ投票自体を無効とする最低投票率制度の規定がないことを問題視する意見が多い。
[「最低投票率制度の有無」を英会話/ディベートのテーマとして]
あまりに低い投票率だと、有権者のわずか1、2割の賛成で憲法改正が承認されてしまう懸念が消えないからだろう。
今回の国民投票法の制定が即座に、憲法改正につながるわけではない。
同法は、憲法改正の発議があった場合に国民にその賛否を問う投票のルールを定めた手続き法に過ぎないことを、改めて確認しておく必要があるのではないか。
《「国民投票法制定の意味」に関して英会話/ディスカッション》
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