9日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は朝鮮中央通信を通じて地下核実験を実施したと発表した。
1998年5月にインドとパキスタンが相次いで核実験を行って以来、国際社会が守ってきた核実験の事実上の凍結を破ったことになる。
《「インドとパキスタンの核実験」に関して英語記事》
05年2月10日、北朝鮮は外務省声明の中で6カ国協議への参加の無期限中断を表明するとともに、「自衛のために核兵器を製造した」と核保有を初めて公式に宣言していた。
[「北朝鮮の核保有宣言」を英会話のトピックとして]
今月3日には「今後、安全性が徹底的に保証された核実験を行うことになる」と核実験の実施を予告した。
これに対して国連安全保障理事会(安保理)は6日、「深刻な懸念」を表明する議長声明を全会一致で採択した。
<英語にて解説:議長声明と決議>
北朝鮮が核実験を強行したのを受けて、安保理は北朝鮮に対する制裁案の検討に入った。
「平和に対する脅威、平和の破壊および侵略行為に関する行動」を規定する国連憲章第7章のうち、非軍事的措置(41条)に限定するのか、軍事的措置(42条)の可能性にも踏み込むのかなどをめぐって調整が続いた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
最終的に、中国とロシアに配慮して、「国連憲章第7章の下での行動」と「同章第41条に基づく措置」を併記することで妥協ができ、安保理は14日、制裁決議を全会一致で採択した。
北朝鮮の大量破壊兵器に関連する「ヒト・モノ・カネ」の流れを断つ厳しい内容となった。
[「北朝鮮に対する制裁決議」を英会話/ディベートのテーマとして]
1991年に北朝鮮が国連に加盟して以来、安保理で北朝鮮に対する制裁決議が採択されたのは初めてだ。
これまで北朝鮮に対して友好的な対応をとってきた中国やロシアも賛成して、核実験実施の発表からわずか5日というスピード採択となったのは、北朝鮮の核を認めれば、東アジア情勢の不安定化を招くだけでなく、核開発疑惑の渦中にあるイランなど中東にも核保有が広がる危険性が高いとの認識を各国が共有したからであろう。
《「スピード採択の背景」について英会話/ディスカッション》
核兵器を体制維持の手段として位置づける北朝鮮にとって、核実験の目的は、核保有国としての立場を誇示することにあったと思われる。
<英語表現の工夫:立場を誇示する>
また、米国の金融制裁による打撃が深刻化する中、米国を直接対話の場に引き出す狙いもあったにちがいない。
日本政府はすでに、7月のミサイル発射に対して、北朝鮮の貨客船・万景峰号の入港禁止などの制裁を実施していたが、核実験4日後の13日には、独自制裁の追加を閣議決定した。
内容は,(1)北朝鮮籍船舶の全面入港禁止(2)北朝鮮からの全面輸入禁止(3)北朝鮮人の原則入国禁止などである。
[「日本政府の対応」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
安保理決議を受けて,日本政府は北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査(臨検)への対応を検討しているが、現場では偶発的な衝突が起きる恐れもある。
外相は周辺事態法を適用し、臨検を行う米軍への後方支援は可能だとの認識を表明したが、政府与党内には同法の適用は無理とする意見もある。
《「周辺事態法による臨検支援」に関して英会話/ディベート》
ここは慎重に検討する必要がある。
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