14日の参議院本会議で、郵政民営化関連法案が与党の賛成多数で可決、成立した。
<英会話:郵政民営化の賛否>
通常国会で同法案に反対・棄権した自民党議員のほとんどが賛成に回った結果、賛成134票、反対100票で、その差は34票だった。
法案によると、日本郵政公社は07年4月に解散し、郵便事業会社、郵便局会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社の4事業会社に分割される。
政府が株式を100%保有する持株会社が4事業会社の株式を100%保有する。
17年3月末までに、持株会社の保有する郵便貯金銀行と郵便保険会社の株式を完全売却し、民有民営を実現する。
《「郵政民営化のプロセス」に関して英語記事》
郵便、郵便貯金、簡易保険の郵政3事業の民営化には当初から、野党はもとより、特定郵便局を支持基盤とする自民党内の議員からも激しい抵抗が続いた。
《「特定郵便局」について英語にて解説》
特定郵便局を含む郵便局は多くが赤字で、その赤字分を郵貯と簡保の黒字で補填しているのが現状だ。
このため、郵政民営化法案は、今年7月5日の衆議院本会議において5票という僅差でかろうじて可決されたものの、8月8日の参議院本会議においては17票という大差で否決された。
衆参両院の採決で、自民党からも造反者が相次いだ。
[「郵政民営化の抵抗勢力」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
この結果を受け首相は、郵政民営化の賛否を国民に問うとして、衆議院解散を断行した。
衆議院で反対票を投じた自民党議員の一部は離党して、新党(国民新党・新党日本)を結成、自民党に残った議員は公認を得られず無所属候補として出馬した。
自民党本部は、反対派の議員の選挙区すべてに「刺客候補」を擁立した。
《「刺客候補」について英語表現の工夫》
9月11日、第44回衆議院選挙の投開票が行われ、自民党が圧勝した。
[「自民党圧勝の原因」を英会話のトピックとして]公明党と合わせた与党では衆院定数の3分の2を超す議席を占め、郵政民営化関連法案の成立が確実となった。
自民党は選挙後、造反議員に対し除名や離党勧告などの重い処分を科した。
郵政民営化の中心課題は郵便貯金と簡易保険の問題である。
郵貯と簡保の資金量は350兆円にものぼる。
これは1400兆円に達する日本の個人金融資産の4分の1近くを占める規模だ。
<英会話/ディベート:郵貯と簡保の巨額資産>
同様の郵便貯金があるドイツやフランスと比べても、日本の郵貯・簡保は突出している。
国民から集められた資金は、国の財政投融資制度を通じて特殊法人などに流れている。
これに対して郵政民営化の眼目は、資金の流れを「官から民へ」シフトさせることにあり、郵政金融事業の民営化を実現することが郵政改革にとって重要な一歩となる。
〔英会話表現による言い換え〕
法案は、政府出資の持株会社が郵便貯金銀行と郵便保険会社の株式を買い戻すことを認めている。
また、持株会社の配下にある郵便局会社と郵便事業会社も両社の株を購入できるので、株式持合いが可能だ。
《「郵政民営化法案の問題点」に関して英会話/ディスカッション》
グループの一体的経営や政府の関与が存続する可能性が残されることになるが、これは改革の理念に逆行するもので遺憾と言わざるを得ない。
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