26日、反政府デモが続くミャンマーで、軍事政権は威嚇発砲や催涙ガスの発射など実力行使に踏み切った。
[「反政府デモと武力弾圧」を英会話のトピックとして]
多数の死傷者が出る中、27日には日本人ジャーナリストも犠牲となった。
発端は、8月に軍事政権が行ったガソリンなどの燃料価格の値上げに反発して起こった抗議デモだった。
バスなどの運賃が大幅に値上がりしただけでなく、運搬コストの上昇から食料品の値段も軒並み上がり、最貧国に位置づけられるミャンマーの市民生活に打撃を与えることになった。
<英語にて解説:ミャンマーの市民生活>
9月になるとミャンマー中部のパコックで僧侶によるデモが発生し、各地に拡大した。
《「ミャンマーにおける僧侶の社会的役割」に関して英会話/ディスカッション》
人口の9割が仏教徒というミャンマー国民の尊敬を集める僧侶たちが托鉢の鉢を逆さに伏せて強い抗議の姿勢を示したことで、一般市民もデモに参加するようになり、その規模は数日で数万人となった。
この反政府デモに対し軍事政権は当初、静観していたが、デモが急速に拡大し、最大都市ヤンゴンで10万人規模に膨れ上がると、強硬姿勢に転じ、デモの参加者に対し武力弾圧を開始した。
さらに治安部隊が僧院を急襲して多数の僧侶を拘束した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
今回の反政府デモの根底にあるのは、ミャンマー国民の軍事独裁に対する不満と民主化を求める思いだ。
<英語記事:ミャンマーの現代史>
1962年以来続くネ・ウィン将軍による独裁体制に対し、88年に国民的規模の民主化要求運動が起こったが、軍がクーデターを決行して全権を掌握すると、民主化運動を武力で鎮圧した。
89年、軍事政権は民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏を自宅軟禁し、政治活動を禁じた。
《「スー・チー氏の自宅軟禁」について英会話》
90年の総選挙では同氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したが、軍政はこの結果を拒否し、その後も民主化活動家の拘束や自宅軟禁を続けている。
国際社会の軍事政権に対する対応は割れている。
欧米諸国が経済制裁や援助停止によって軍事政権への圧力を強化する一方、中国、インド、ロシアは、内政不干渉の原則を盾に軍事政権を支援してきた。
〔英会話表現による言い換え〕
今年1月、国連の安全保障理事会で米国などが提案したミャンマーに対する非難決議は、中国とロシアが拒否権を行使したため、否決された。
特に、軍事政権の最大の後ろ盾といわれる中国の影響は大きい。
ミャンマーは東南アジアでも有数のガス資源保有国で、最近もベンガル湾で大規模なガス田が発見されている。
経済成長の著しい中国はエネルギーの調達先としてミャンマーを重視しており、財政支援の見返りとして、ミャンマー国内における天然ガスなどの資源開発を計画している。
<英語論説:中国による軍事政権への支援>
日本もミャンマーには多額の政府開発援助(ODA)を供与してきた。
政府は、欧米流の制裁論とは一線を画し、対話重視の姿勢を崩していない。
《「日本政府の軍事政権への対応」に関して英会話/ディベート》
この際、経済援助をテコに軍事政権への説得に積極的に動いてみるべきではないか。
|