6日の参議院本会議で、武力攻撃事態対処法、改正自衛隊法、改正安全保障会議設置法の有事法制関連3法が、自民、公明、保守新の与党3党と民主、自由両党などの賛成多数で可決、成立した。
[「有事」を英会話のトピックとして]
1977年に福田赳夫内閣の下で有事法制研究が始まって以来、四半世紀を経て関連法制がようやく整備された。
有事法制の整備については長年、議論すること自体がタブー視されてきた。
有事関連法が戦後初めて成立したことで、日本の安全保障政策は大きな転機を迎えたことになる。
<英会話/ディスカッション:有事関連法成立の意義>
武力攻撃事態対処法は、他国からの武力攻撃への対処に関する基本理念や手続きを定めている。
それによると、日本に対する外部からの武力攻撃が発生(武力攻撃事態)または予測される事態(武力攻撃予測事態)に至った場合、政府は対処基本方針を閣議決定し、首相を本部長とする対策本部を設置する。
《「武力攻撃(予測)事態の定義」について英会話/ディベート》
改正自衛隊法は、有事の際の自衛隊の活動の円滑化を図るもので、道路法の適用除外など、さまざまな特例措置を規定している。
<英語にて解説:改正自衛隊法における特例措置>
改正安全保障会議設置法は、安保会議の機能強化を目指すもので、「事態対処専門委員会」の設置が盛り込まれた。
安全保障に関する基本法案が与党と野党第一党の合意の上で成立したことは日本の政治史上画期的なことだ。
5月13日、小泉純一郎首相と菅直人民主党代表は党首会談を開き、有事の際にも国民の基本的人権を最大限に尊重すると法案に明記することなどで修正合意していた。
《「有事法制と基本的人権」に関して英語論文》
1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法成立の際には、当時の野党第一党であった社会党が「牛歩戦術」などを駆使して強硬に反対した。
<英語表現の工夫:牛歩戦術>
1999年の周辺事態法や、01年のテロ対策特別措置法に対しては民主党が反対した。
今回は、一昨年のアメリカ同時多発テロ事件による国際情勢の変化や、北朝鮮のミサイル発射・核開発問題や不審船事件による国民の不安の増大などが追い風となって、与野党合意が成立したと考えられる。
[「与野党合意の背景」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
国民の生命や財産を守るための国民保護法制は、武力攻撃事態対処法の施行後「1年以内を目標に整備」されることになった。
有事法制の目的はあくまでも国民の保護であるべきだ。
にもかかわらず、国民保護法制についての具体的な議論が後回しにされたのは、本末転倒と言わざるを得ない。
〔英会話表現による言い換え〕
残された課題も多い。
民主党が、米国の連邦緊急事態管理庁(FEMA)を念頭に設置を求めた省庁横断の「危機管理庁」については、今後「組織の在り方について検討」することになった。
《「危機管理庁構想」について英語記事》
武力攻撃事態対処法は他にも、政府が今後、日本有事の際の米軍の行動を円滑かつ効果的にするための法制を策定するように求めている。
また、大規模テロの発生や武装工作船の出現などの事態に対処するための措置を速やかに講じるように定めている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
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