16日、新潟県上中越沖を震源とするマグニチュード6.8の強い地震が発生し、同県柏崎市・長岡市などで震度6強の最大震度を記録した。
<英語にて解説:マグニチュードと震度>
23日現在、10人が死亡、1800人以上が重軽傷を負った。
被災された方々に心からお見舞いを申し上げたい。
新潟では04年10月にも中越地方を震源とするM6.8の地震(震度6強)が起きている。
《「新潟中越地震」について英語記事》
今年3月の能登半島地震はM6.9、最大震度は6強だった。
ほぼ同じ大きさの地震が連続して日本海側で起きたことになる。
この一帯を含めて新潟から神戸にかけては、地殻変動によるひずみが特に集中していることがわかっている。
1995年の阪神大震災の兵庫県南部地震もこの「歪集中帯」で発生したものだ。
<英語論文:歪集中帯>
今回も死傷者の多くは、倒壊した家屋の下敷きとなったことが原因だ。
阪神大震災の死者の約8割は、建物の倒壊による圧死だった。
[「阪神大震災の被害状況」を英会話のトピックとして]
その時の教訓から、地震の被害を軽減するには、建物の耐震化が最も重要であることがわかっている。
ところが、住宅の耐震補強が進んでいないようだ。
《「住宅の耐震補強」に関して英会話/ディスカッション》
今回の地震で多くの被害を出した柏崎市の場合も、この4月から耐震改修費に対する補助金の交付を始めたが、残念なことに申請はゼロだった。
今度の地震で、震源地から16キロの距離にあった東京電力柏崎刈羽原子力発電所ではトラブルが多発した。
[「原発と地震」を英語論説のテーマとして]
使用済み燃料の保管プールから、地震の揺れで放射性物質を含む水があふれ、放水口を通じて日本海に排出された。環境への影響はないという。
また、変圧器では絶縁用の油の引火が原因と思われる火災が発生した。
地震の影響で、変圧器と外にある電源ケーブルが上下にずれたことが引き金になったと見られている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
他にも、排気筒ではヨウ素、クロム、コバルトといった放射性物質が検出されるなど、全7基の原子炉で異常が確認された。
東京電力の対応が遅れたことには疑問を感じざるを得ない。
変圧器の火災を鎮火するのに1時間半もかかっている。
放射能を含んだ水が海に流れ込んだ事実の公表も、地震発生から約10時間後だった。
《「東京電力の対応の遅れ」について英会話》
たとえ微量の放射能漏れであっても、迅速な情報伝達こそ、周辺住民の安全確保の上で最も重視されるべきことである。
今回、柏崎刈羽原発の全ての原子炉で、設計時の想定を超える激しい揺れを記録していたことが明らかになっている。
また、防災科学技術研究所などによる分析で、断層面が同原発の直下にまで及んでいる可能性も示唆されている。
原発の耐震安全性が根底から揺らいでいる。
<英会話/ディベート:原発の耐震安全性>
原子力安全委員会は昨年9月、原発の耐震設計審査指針を25年ぶりに見直した。
今回の地震の経験は、新指針の想定を超える可能性さえ示唆している。
〔英会話表現による言い換え〕
新指針の妥当性を厳しく検証した上で、必要があれば再改定もためらってはならない。
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