昨年12月から今年1月にかけ、中国製の冷凍ギョーザを食べた人が中毒症状を訴え、女児が一時意識不明の重体になるなど、被害が相次いでいたことが明らかになった。
一部のギョーザの皮や具、包装からは、毒性が強い農薬の有機リン系殺虫剤が検出された。
《「有機リン系農薬による中毒」について英語にて解説》
問題の製品は、中国の天洋食品が製造し、日本たばこ産業(JT)の子会社が輸入・販売元になり、日本生協連や大手スーパーなどが小売りしていた。
流通・販売の段階で殺虫剤の混入を見つけられなかった。
[「流通・販売段階におけるチェック」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
輸入食品を検査する検疫所でもチェックできなかった。
検疫所の検査は一部だけを抽出する方法で行われるため、大量に国内に入ってくる輸入食品のうち、残留農薬の検査を受けるのは約1割にとどまっている。
ギョーザなどの加熱冷凍加工食品は対象となっていなかったという。
検疫体制の不備を指摘する声も少なくない。
<英語論説:輸入食品の検疫体制>
昨年12月28日に千葉市の母子が最初の異常を訴え、その後、先月5日には兵庫県高砂市で、さらに先月22日には千葉県市川市でも被害が発生した。
しかし、最初の被害発生から商品の回収までに1ヶ月もかかった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
関係機関の連携もうまく機能しなかった。
東京都は兵庫県から資料3枚を受け取りながら、輸入元が本社を置く品川区に連絡する際、有機リン系中毒に言及した重要な1枚を別の紙と取り違えてファクス送信していたことが分かっている。
《「関係機関の連携ミス」について英会話》
自治体や国の連携不足で事件の公表が遅れている間、情報を知らされない消費者は問題のギョーザを食べ被害が広がった。
〔英会話表現による言い換え〕
こうした事態を繰り返さないために、食品関連事業者と関係当局が情報をできる限り迅速に共有し、消費者に提供するシステム作りが必要だ。
中国製品に対する消費者の不信感が増幅している。
中国製品が店頭から撤去されたり、消費者が買い控えたりする動きまで出てきた。
[「中国製品に対する不信感」を英会話のトピックとして]
消費者の不安を解消するために、日中両政府は密接に協力して、まずは殺虫剤混入の原因究明を急いでもらいたい。
今のところ日本の警察は、殺虫剤は天洋食品の製造・包装過程で混入した可能性が高いとみている。
《「殺虫剤の混入時期の特定」に関して英語記事》
中国の食品安全当局は、故意に注入された可能性にも言及している。
いずれにせよ、殺虫剤がどの時点で混入されたのか、解明にはまだ時間を要するだろう。
今回の事件で改めて分かったのは、日本の食卓が、安くて便利な輸入加工食品に頼っており、その大半を中国に依存しているという事実である。
これを機に、食品各社は輸入食品の安全管理体制を再点検するとともに、一層の強化を図るべきだ。
<英会話/ディスカッション:輸入食品の安全管理>
また、日本の食料自給率の低さも浮き彫りになった。
06年度の日本の食料自給率はカロリーベースで39%にすぎず、主要先進国の中では最低の水準である。
[「日本の食料自給率」を英語論文のテーマとして]
食品の安全確保のためには、自給率向上を図ることも重要だ。
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