日本人ノーベル賞受賞者が一挙に4人誕生した。
<英会話:過去の日本人ノーベル賞受賞者>
7日、南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)、益川敏英・京大名誉教授(68)の3人が今年の物理学賞に決まり、翌8日には、下村脩・米ボストン大名誉教授(80)が化学賞に選ばれた。
日本人のノーベル賞受賞は6年ぶりで、受賞者は今回を合わせ16人になる。
日本人研究者が物理学賞を独占したのは初めてで、年間の受賞者数も過去最多である。
金融危機など暗いニュースが続く中、今回の快挙を喜びたい。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
物理学賞受賞の3人は、素粒子物理学の理論研究で先駆的な役割を果たし、宇宙誕生の謎に迫る功績を挙げたことが認められた。
[「素粒子物理学の発展」を英語論説のテーマとして]
一方、化学賞受賞の下村氏は、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見し、生命科学研究の飛躍的発展に貢献したことが評価された。
《「緑色蛍光タンパク質(GFP)」について英語にて解説》
物理学賞の共同受賞は、日本の理論物理学のレベルの高さを改めて印象づけることになった。
紙と鉛筆と頭脳さえあればできるといわれる理論物理学は、1949年に故・湯川秀樹博士が日本人初のノーベル物理学賞を受けて以来、日本のお家芸とされてきた。
<英会話/ディスカッション:日本の理論物理学の伝統>
今回の受賞は、その伝統がしっかりと受け継がれてきたことを示すものだ。
大学での研究にも実益や経済効果が求められる傾向がますます強まっている中、地味な基礎研究の重要さに光が当てられることにもなった。
〔英会話表現による言い換え〕
下村氏が発見当時は「何の応用価値もなかった」と話しているGFPが、遺伝子工学の発展に伴って再評価され、今では生命科学の研究に欠かせないツールになっている。
今回の受賞対象の業績は、いずれも1960〜70年代にさかのぼるものだ。
独創性にすぐれた研究は多くの場合、20代や30代の若いときに生み出される。
優秀な若手研究者をいかに育てるか。
これからの日本の科学技術力を左右する大きな課題である。
[「若手研究者の育成」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
近年、子供の理科離れとともに、学生の理工系学部離れも指摘されている。
<英語表現の工夫:理科離れ、理工系学部離れ>
博士号を取得しても就職先が見つからないなど、理工系進学後の将来への不安が大きいことが主な原因だ。
政府と大学は、研究者の育成システムの改革に取り組むべきだ。
物理学賞について欧米メディアは「日本人2人と米国人1人が受賞」と報じた。
米国人とは、米国籍を取得した南部氏のことである。
南部氏と下村氏は米国への「頭脳流出組」だ。
《「米国への頭脳流出」に関して英語記事》
ノーベル物理学賞を受けた江崎玲於奈氏や生理学・医学賞の利根川進氏らも、米国発の研究成果が評価された。
日本人研究者の海外での活躍はもちろん歓迎すべきことだが、それは国内の研究環境が研究者にとって魅力的ではないことの裏返しと見ることもできる。
[「魅力的な研究環境」を英会話のトピックとして]
そうだとすれば、頭脳流出を食い止めるためにも、研究体制の根本的な見直しが必要だろう。
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