史上最多の80の国と地域が参加した冬季五輪トリノ大会が2月26日に閉幕した。
[「冬季五輪」を英会話のトピックとして]
日本選手団は予想外の不振に陥っていたが、大会終盤に、フィギュアスケート女子で荒川静香選手が逆転の金メダルに輝き、日本を歓喜の渦に巻き込んだ。
荒川選手の落ち着きぶりは実に見事なものだった。
優勝候補と目されていたライバル選手がミスを重ねて得点を減らす中、荒川選手は重圧に押しつぶされることなく、自分の演技に集中して観客を魅了した。
その強靱な精神力は称賛に値する。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
荒川選手の金メダルは、日本フィギュア界の勝利でもある。
日本スケート連盟は練習環境の整備に力を注いできた。
今では一流選手は外国人コーチの指導を受け、振り付けも外国人に依頼する。
《「スケート連盟による練習環境の整備」について英会話/ディスカッション》
練習拠点も外国に移している選手が少なくない。
1992年からは、8〜12歳の選手を全国から集めて長野県野辺山で夏の合宿を開き、有望選手を発掘してきた。
荒川選手はその最初の年に参加している。この合宿で見出された選手たちがしのぎを削って日本女子フィギュアのレベルを上げてきた。
〔英会話表現による言い換え〕
国内での熾烈な争いが荒川選手を大きく成長させたことはまちがいない。
日本オリンピック委員会(JOC)はトリノ五輪に臨むに当たり、メダル5個かそれ以上との見通しを示していた。
しかし開幕してから13日間、日本人選手によるメダル獲得はゼロで、1976年のインスブルック五輪以来、30年ぶりのメダルなしのオリンピックになりかねなかった。
<英語記事:過去のオリンピックの成績>
スノーボードなどは直前のワールドカップで好成績を挙げていたことから、メダル確実との声もあったが、予選落ちの結果となった。
ワールドカップでの好調さを五輪でも発揮できるとは限らない厳しさを改めて思い知らされた形だ。
《「五輪の厳しさ」について英会話》
冬季スポーツは伝統的に欧米諸国が主導権を握り、冬季五輪でも優勢を占めてきた。
<英語にて解説:冬季スポーツにおける欧米の優位>
そうした中、日本は冬季スポーツでアジアをリードする存在だった。
しかし今回の惨敗で、日本がその地位から転落したことを認めざるを得ない。
日本勢の不振とは対照的に、韓国と中国はともにメダルを11個獲得し、躍進振りをまざまざと見せつけた。
《「まざまざと見せつける」について英語表現の工夫》
競技力低迷に歯止めをかけるために、今の日本には、選手強化や若手育成の方法について、韓国や中国から謙虚に学ぶ姿勢も必要だろう。
深刻な不況の影響で、かつての名門企業チームの廃部やスポンサー離れなど、冬季スポーツからの企業の撤退が目立ってきている。
[「不況の冬季スポーツへの影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
政府は、国として冬季競技を支援する体制の強化を検討していかなければならない。
これまでドーピング(禁止薬物使用)によるメダルの剥奪は、ロシアの女子バイアスロンの選手の一件だけである。
今回、ドーピング撲滅を目指す世界オリンピック委員会(IOC)の強い姿勢が、一定の成果を収めたことは評価していいだろう。
《「ドーピング問題」に関して英語論説》
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