日本銀行は9日の政策委員会・金融政策決定会合で、2001年3月に導入した量的金融緩和政策を解除することを7対1の賛成多数で決め、即日実施した。
バブル崩壊後以降、00年8月のゼロ金利解除を除いて15年余り続いた緩和一辺倒の金融政策からの転換となる。
<英語表現の工夫:緩和一辺倒>
日銀はこれに伴い、金融政策の誘導目標を民間金融機関が保有する日銀当座預金残高から、従来の短期金利(無担保コール翌日物金利)に変更する。
当面はこの金利を「おおむねゼロ%で推移するよう促す」ゼロ金利政策を維持する。
[「ゼロ金利解除の見通し」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
日銀は今後、現在30〜35兆円程度に誘導している日銀当座預金残高を徐々に10兆円程度まで減らした後、数カ月かけて6兆円程度に減らしていく。
《「日銀当座預金残高」に関して英語にて解説》
当座預金残高目標は量的緩和導入当初5兆円程度だったが、景気回復の下支えを狙って段階的に引き上げられた。
金融市場の不安定化を抑えるため、長期国債を月1兆2千億円ずつ買い上げる措置も継続する。
長期金利の上昇は国と地方を合わせて774兆円の長期債務を抱える政府にとって最大の懸念事項だ。
日銀は長期国債購入額の維持という形で長期金利の安定を求める政府に配慮を示した。
<英語論説:量的緩和解除の財政への影響>
日銀は01年3月、物価下落と景気悪化が同時に進行するデフレスパイラルを食い止めるための非常手段として量的緩和を実施した。
《「当時の日本経済」について英会話》
量的緩和は、翌日物金利をゼロ%にするだけでなく、金融機関の手元に必要以上の資金を供給する異例の政策だ。
03年10月には、日銀は量的緩和について「消費者物価指数の前年比上昇率が安定的に0%以上になるまで継続する」と公約した。
その消費者物価上昇率が今年1月に0.5%と約8年ぶりの高水準となり、4か月連続で0%以上を記録。
消費者物価が先行きも再びマイナスに戻らないと日銀は判断、量的緩和解除に踏み切った。
[「量的緩和の成果」を英会話/ディベートのテーマとして]
政策誘導目標が資金量から金利に戻ったものの、短期金利をゼロ%に維持することには変わりはない。
ただ、条件が満たされるまで将来にわたりゼロ金利が続く量的緩和策とは違い、市場に供給する資金の量は徐々に減らすために、いずれはいつでも利上げができる状態になる。
《「ゼロ金利と量的緩和」に関して英語論文》
日銀はこの日、解除後に市場の動揺を防ぐために「新たな政策運営の枠組み」の導入も決定した。
政策委員が中長期的にみて物価が安定していると理解する消費者物価指数上昇率を前年比「0〜2%程度」(中心値は1%前後)と明示した。
こうした物価安定の目安を念頭に今後の政策を運営する。
<英会話/ディスカッション:新たな目安の位置付け>
新しい枠組みについて福井俊彦日銀総裁は「透明性の確保と機動的な運営、金融政策の柔軟性が両立する枠組み」と説明している。
政府・与党の一部には、日銀に達成すべき物価上昇率を示すインフレ目標を求める議論もあったが、日銀としては政策が数字に縛られないような形で数字を公表した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
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