40カ国以上が参加する中東和平国際会議が27日、米メリーランド州アナポリスで開かれた。
イスラエルとパレスチナは、7年ぶりに和平交渉を再開し、来年末までに交渉を決着させるとした共同声明をまとめた。
《「中東和平」について英会話》
さらに双方は、中東和平への「ロードマップ(行程表)」で定められた義務の履行を監視する米主導の新しい枠組みを設けることで合意した。
<英語にて解説:中東和平のロードマップ>
イスラエルの入植活動の凍結やパレスチナ側のテロ組織の解体などを米国が検証する体制となる。
中東和平交渉は2000年に米クリントン政権が主催したキャンプデービッドでの首相級会談が決裂して以来のことだ。
[「中東和平を巡る動き」を英語記事のトピックとして]
米国、EU、ロシア、国連は03年、和平の進め方を示したロードマップを公表した。
しかし、その後もイスラエルとパレスチナ双方の報復合戦が繰り返され、交渉再開は先送りされてきた。
政権発足以来、対イラク一辺倒で中東和平に熱心ではないとみられてきたブッシュ大統領が姿勢を大きく転換した背景としてイランへの対応が指摘されている。
大統領にとって中東和平の仲介は、直接当事者同士の交渉を機にヒズボラなど過激組織を半ば公然と支援するイランを孤立させる狙いもある。
<英会話/ディスカッション:米、積極関与の背景>
和平交渉再開という総論では合意したものの、各論ではイスラエルとパレスチナの主張に大きな隔たりがある。
1つはヨルダン川西岸の国境線問題だ。
05年にイスラエル軍がパレスチナ人居住地域のうちガザから完全撤退。
《「パレスチナ人居住地域」について英語にて解説》
もう1つの居住地域であるヨルダン川西岸とイスラエルの国境を画定する上でユダヤ人入植地をどう扱うかが対立点として残っている。
次にパレスチナ難民の帰還問題がある。
自治政府は400万人いるとされる在外パレスチナ難民のイスラエル領内への帰還を求めているが、ユダヤ系人口の比率が下がりユダヤ国家としての性格が薄れてしまうことを恐れるイスラエルはこれに強く反対している。
[「難民の帰還問題」を英会話/ディベートのテーマとして]
3つ目がイスラム教とユダヤ教の聖地であるエルサレムの帰属問題だ。
自治政府は1967年の第三次中東戦争でイスラエルによって占領・併合された東エルサレムの主権を要求。
それに対しイスラエルは、東西エルサレムは「永遠に不可分の首都」として譲歩の姿勢を見せていない。
<英語論説:エルサレムの帰属問題>
今後の交渉で合意に到達するには相互の大幅な譲歩が不可欠だが、イスラエル、パレスチナ両首脳とも権力基盤が弱いため思い切った妥協は難しい。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
イスラエルのオルメルト首相は自身の支持率が10%を切り、連立政権に加わる右派はいかなる譲歩にも反対している。
パレスチナも、自治政府のアッバス議長は6月にイスラム原理主義組織ハマスにガザの実権を奪われ、統治はヨルダン川西岸自治区だけにとどまっている。
[「ハマスによるガザの実効支配」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
ガザでは27日、和平会議に抗議する数万人規模のデモが行われた。
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