不発弾による一般市民への被害が深刻な問題となっているクラスター爆弾を巡り、アイルランドの首都ダブリンで開かれていた国際会議は31日、保有や使用を事実上、全面禁止する条約案を全会一致で採択し、閉幕した。
《「条約採択による影響」について英会話/ディスカッション》
クラスター爆弾は航空機または地上から投下・発射され、目標上空で親爆弾が多数の子爆弾を散布するため、広範囲を破壊・制圧できる。
一定の割合で不発弾が残り、戦闘後に民間人がそれに触れ死傷する事例が多数発生している。
[「クラスター爆弾の非人道性」を英会話のトピックとして]
このため、非政府組織(NGO)などが同爆弾の使用を禁止するよう要請。
ノルウェーなど有志国が旗振り役となって昨年2月にオスロで条約交渉が始まった。
<英語表現の工夫:旗振り役>
参加国数は当初の49カ国から増え続け、今回の会議には約110カ国が参加した。
全面禁止に消極的だった日本や英仏独などが例外規定を求めたのに対し、主唱国ノルウェーやアフリカ諸国は「例外なき禁止」を主張。
最終的には、例外を設けながらも、条約案の定義で既存の爆弾のほぼすべてが禁止対象になることから、折り合いがついた。
〔英会話表現による言い換え〕
採択された条約案は、一部の例外を除きクラスター爆弾の開発、製造、調達、備蓄、使用、輸出入を禁止する。
参加国は12月3日にオスロで正式調印し、条約は批准国が30カ国に達してから約6カ月後に発効する。
その後8年以内に各国は禁止対象の同型爆弾を廃棄または確約する。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
しかし、条約案は子爆弾が不発になる可能性が極めて低い最新型の高性能爆弾は禁止対象から除外した。
[「最新型の禁止除外規定」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
保有や使用を認めたのは、子爆弾が10個未満、子爆弾1個の重さが4キロ超、攻撃目標に対する自動識別機能、自爆機能、自己不活性化機能を持つ、の5条件を満たすタイプ。
仏独が開発する最新型はこの条件を満たしている。
また、条約加盟国とクラスター爆弾を持つ非加盟国の「軍事協力や作戦」が可能とされた。
米国と同盟関係にある日本や英国の対米軍事関係への配慮からだ。
同爆弾を使う米国との共同作戦への支障を懸念していた日本が今回、条約への同意に踏み込んだ理由の一つには、この条項が加わったことがある。
<英語記事:政府の方針転換の背景>
クラスター爆弾を大量に生産・保有する米国やロシア、中国などはダブリン会議に参加しておらず、現時点では条約に調印しない構えだ。
そのため、同爆弾は現在、子爆弾ベースで世界全体に数十億個あると推定されるが、条約発効後に実際に廃棄されるのは数億個にとどまるとのとの見方もある。
主要保有国の不参加は条約の実効性に依然として課題を残しそうだ。
《「禁止条約の実効性」に関して英会話/ディベート》
条約案に同意した日本の保有分も廃棄対象となる。
自衛隊が保有しているクラスター爆弾の数は明らかにされていないが、調達額は約3百億円。
政府はこれまで、日本の防衛上同爆弾は不可欠との立場だったため、規制対象外の「最新型」の導入を含め代替策を検討する方針だ。
[「全廃による安全保障上の問題」を英語論説のテーマとして]
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