第17代韓国大統領選挙は19日投票、即日開票され、保守系野党ハンナラ党候補の李明博(イ・ミョンバク)氏(66)が過半数に迫る得票で圧勝し、当選を決めた。
李氏は来年2月25日に就任し、10年ぶりに保守政権が誕生することになった。
<英語論説:2期続いた革新政権>
中央選挙管理委員会が同日発表した投票率(暫定値)は62.9%。
1987年に直接選挙制を導入して以降最低だった前回(2002年)の70.8%を大幅に下回った。
株価操作への関与疑惑が取りざたされたものの、李氏の優位が揺るがず盛り上がりに欠けた選挙戦を印象付けた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
大阪で生まれた李氏は、苦学して私立の名門、高麗大に進み、卒業後、財閥系・現代建設に入社した。
実力で頭角を現し、35歳で社長に就任、現代建設を大企業に育て上げた。
《「サラリーマン神話」について英会話》
国会議員に初当選したのは92年。
02年からのソウル市長時代には高架道路の地下に埋もれていた清渓川を観光名所に復元するなどの実績をあげた。
李氏は前回の選挙で進歩系候補の票田だったソウル首都圏や忠清道など西部地域でも得票率が5割を超えた。
<英語表現の工夫:票田>
盧武鉉現政権の経済政策に不満を募らせる有権者が「保守対進歩」という理念対立を離れ、「CEO(最高経営責任者)型大統領」を目指す李氏の経済手腕に韓国の将来を託したといえる。
アジア各国を巻き込んだ97年の通貨危機を韓国は国際通貨基金(IMF)の支援の下、大胆な構造改革で早期に克服した。
《「アジアの通貨危機」に関して英語にて解説》
だが急激な改革は貧富の格差拡大、非正規職社員の急増、若年失業率の上昇などをもたらした。
盧大統領就任後には不動産価格が急騰した。
こうした中で、李氏は韓国経済の立て直しに向け、企業投資の活性化などを通じた「年率7%」の経済成長と5年間で300万人の雇用創出、法人税などの減税と規制緩和の推進などを公約に掲げた。
[「近年の韓国経済」を英語記事のトピックとして]
韓国初の経済界出身の大統領に「経済再生」への期待がかかる。
次期大統領の下では外交面でも実利重視の政策運営が予想される。
それは対北朝鮮関係で鮮明に表れそうだ。
金大中、盧武鉉両政権が推進した融和政策は支援先行の色が濃かったが、李氏はそれを見直し、非核化を前提とした経済支援を進める意向だ。
<英会話/ディベート:融和政策の成果>
公約では、北朝鮮が核を放棄すれば、1人当たりの国民所得を10年で3000ドルに引き上げるよう支援するとしている。
[「非核化と経済支援の相互主義」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
具体策は輸出企業100社の育成、5大自由貿易地帯の設置、ソウル−新義州間の高速道路建設などである。
盧政権下でギクシャクした対米、対日関係では協調路線を進めるとみられる。
李氏は「韓米同盟の再構築」を掲げており、関係修復を急ぐ。
対日政策に関しては「未来志向的にうまくいくだろう」と語っているが、具体的には未知数の部分が多い。
[「対日関係改善の機運」を英会話のトピックとして]
|