2日間にわたって東京で開催されたアフガニスタン復興支援国際会議は22日、共同議長の緒方貞子政府代表が共同議長最終文書を発表して閉幕した。
これにより、国際社会に支えられた同国の復興事業が本格的に始まることになる。
<英語記事:タリバーン政権崩壊後のアフガン情勢>
アフガン復興会議には61カ国と欧州連合(EU)、21機関などが参加した。
参加61カ国は日本が主催した10年前のカンボジア復興会議の約2倍に上る。
《「カンボジア復興会議」について英語にて解説》
日本、米国、EU、サウジアラビアが共同議長国を務めた。
最終文書は、復興支援のため参加国が表明した拠出額について、総額で45億ドル以上、うち2002年分は18億ドル以上になることを明記した。
[「国際社会による大規模資金の拠出」を英会話のトピックとして]
今年だけで18億ドル以上の拠出額は、世界銀行などが試算した1年間の復興需要額17億ドルや、アフガニスタン暫定行政機構のカルザイ議長が要請した初年度18億〜20億ドルと同程度だ。
参加約のうちほぼ半数が資金の拠出を表明した。
米国が1年目に2億9600万ドル(2年目以降も検討)、EUが1年目に5.5億ユーロ(2年目も相当額)、サウジが3年間で2.2億ドル、周辺国ではイランが1年目1.2億ドル(5年間で5.6億ドル)、パキスタンが5年間で1億ドル。
《「周辺国の資金提供」に関して英会話/ディスカッション》
日本が表明した支援額は「1年目最大2.5億ドル」「2年半で最大5億ドル」となった。
政府はこれらの多くを暫定政権との二国間援助にあてる方針で、政府開発援助(ODA)予算の枠内でやり繰りする。
<英会話/ディスカッション:二国間援助の利点>
日本のODA予算は減る一方だが、それでも2年半で5億ドルというのは最大級の支援だ。
また、最終文書は、復興の優先分野として、(1)行政能力の向上(2)教育(3)保健・衛生(4)インフラ整備(5)経済システムの復興(6)農業及び地方開発、の6分野を挙げた。
アフガン復興では、優先分野に効率よく支援を実施することが課題となる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
参加各国が表明した支援内容の振り分けなどの調整や資金の流れの監視を担う「執行グループ」を首都カブールに設置することも決まった。
《「執行グループの役割」について英会話》
「アフガン人主体の復興」の観点から、暫定行政機構のアルサラ財務相を議長とし、主な支援国と国際機関が参加、四半期ごとに1回会合を開く。
また、拠出金を管理する「復興信託基金」を設立し、世界銀行に委託することも明記された。
各国による暫定政権への支援は二国間と基金の二本立てになる見通しだが、拠出ルートは各国の判断に委ねられており、信託基金にどの程度資金が集まるかも焦点になりそうだ。
<英語表現の工夫:二本立て>
史上初めて多額の支援を受け入れるアフガン側は、支援の受け皿もまだ整っていない状態だ。
暫定行政機構内では主要各派間の主導権争いが活発化、主要都市を支配する軍閥同士の抗争も目につき始めている。
アフガンの国家再建に向けて、カルザイ議長の手腕が問われる。
《「アフガンの今後の政治プロセス」に関して英語記事》
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