1日午前9時過ぎ、地球に帰還途中だった米スペースシャトル「コロンビア」が大気圏突入後、空中分解した。
ブッシュ米大統領は同日午後、国民向けに緊急演説し、イスラエル人初の宇宙飛行士を含む7人の搭乗員全員が死亡したと発表した。
《「日本人宇宙飛行士」について英会話》
シャトルの重大な事故は1986年1月に、「チャレンジャー」が打ち上げ直後に固体補助ロケットの燃料ガスが漏れて爆発し、今回の事故と同じく飛行士7人が全員死亡して以来17年ぶりのことだ。
[「チャレンジャーの爆発事故」を英語記事のトピックとして]
米航空宇宙局(NASA)は事故原因の調査に乗り出したが、原因解明までシャトル計画の無期限凍結を表明した。
86年のチャレンジャーの爆発事故では、シャトルの打ち上げ再開まで2年8カ月を要した。
<英会話/ディスカッション:シャトル計画の行方>
1月16日に打ち上げられたコロンビアは、16日間の宇宙での科学実験などを終え、地上に帰還するため大気圏に再突入していた。
米東部時間午前9時16分にフロリダ州のケネディ宇宙センターに着陸する予定だったが、午前9時ごろ、高度20万3千フィート(約6万2千メートル)を時速2万キロで飛行中に突然地上との交信が不能になった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
詳しい事故原因は不明だが、事故の7分前から機体左翼部で異常が発生しており、これが深刻なトラブルの引き金になったとみられる。
コロンビアは打ち上げ直後に外部燃料タンクを覆う断熱材の一部が落下して左翼部に衝突、その衝撃で再突入時の高温から機体を守る耐熱タイルが損傷した可能性が浮上している。
《「想定される事故原因」について英語にて解説》
コロンビアはNASAが開発した有人宇宙船スペースシャトルの第1号機だ。
<英語記事:シャトル開発の歴史>
スペースシャトルは従来のロケットと異なり、地球と宇宙を繰り返し往復できる。
コロンビア、チャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、エンデバーの5機が建造されている。
コロンビアは81年4月に初めて打ち上げられ、今回が28回目の飛行だった。
1日の空中分解についてNASA当局者は「製造時期の古さは事故の要因ではない」と説明している。
だが、電気配線の劣化や燃料配管の亀裂が見つかるなど、老朽化が進んでいた。
[「事故と老朽化との関係」を英会話のトピックとして]
事故の背景として、米国の宇宙開発への意欲の低下と、それに伴う予算や人員の削減が指摘されている。
米国の宇宙開発予算は92年をピークに緊縮傾向が続いており、シャトル要員も95年には常勤換算で約3千人いたが現在は2千人だ。
こうした合理化の進展がシャトルの安全を脅かしているとの懸念が上がっていた。
《「合理化圧力に対する批判」に関して英語論説》
スペースシャトルの運航停止により、日米欧などが参加する国際宇宙ステーションの建設・利用計画も大幅な遅れが出るのは必至だ。
[「空中分解事故の宇宙開発への影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
ステーション計画でシャトルは建設資材や物資の補給、人員輸送の主力手段となってきた。
宇宙ステーションで日本が担当する実験棟「きぼう」の07年からの本格運用を見込んでいた日本の宇宙ビジネスにも影響が出そうだ。
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