第43回衆院総選挙は9日、投票が行われ、即日開票された。
自民、公明、保守新の与党3党は絶対安定多数の269議席以上を確保し、小泉純一郎首相の続投が固まった。
《「安定多数」について英語にて解説》
自民党は00年6月の前回選挙で獲得した233を上回る237議席を獲得したが、目標の単独過半数には届かず、選挙前の247議席を割り込んだ。
一方、民主党は選挙前より40議席も伸ばし野党としての過去最高議席を上回る177議席を獲得、比例区では第1党に躍進した。
政権交代は果たせなかったものの、自民、民主両党が政権を競う「二大政党制」への足がかりを築いた。
[「二大政党制の是非」を英会話/ディベートのテーマとして]
公明は3議席増やしたが、他の各党は振るわなかった。
保守新は選挙前の9議席から4議席に激減。
共産は前回同様、小選挙区で議席を獲得できず、比例区も前回の20議席から半減した。
社民も小選挙区では1議席を確保したのにとどまり、比例区と合わせても過去最低の6議席に落ち込んだ。
<英語記事:共産・社民不振の背景>
新聞各社が実施した総選挙の出口調査によると、特定の支持政党を持たない無党派層の5割強が小選挙区、比例区ともに民主党に投票し、民主支持層とともに、同党の躍進を後押ししたことがわかった。
一方、都市部を中心とした無党派層の自民離れが顕著になった。
《「無党派層の動向」に関して英語論説》
小選挙区比例代表並立制が導入されてから今回が3回目の衆院選挙である。
衆院は長く、1選挙区から複数の当選者が出る中選挙区制が続いていたが、96年から、政権交代可能な2大政党制の実現を目指し1議席を争う小選挙区制を基本とした現行制度に移行した。
<英会話/ディベート:小選挙区制の是非>
自民、民主の二極化は、この並立制の定着の結果とも言える。
民主党がマニフェスト(政権公約)を前面に掲げ政権選択を訴える選挙を展開したことが同党の議席大幅増につながった。
自民党に政策論争を仕掛けた戦略が功を奏したのだ。
小選挙区制に加えてマニフェスト選挙ということになれば、今後、さらに自民か民主かという政権選択選挙になっていくだろう。
[「マニフェスト選挙の定着」を英会話のトピックとして]
小泉首相は9日夜、与党3党で安定多数をとったことで、自らの構造改革路線が信任を得たとの認識を示した。
しかし、予想外の苦戦で自民党に勝利感はなく、今後の政権運営の主導権に不安も残すことになった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
与党の中では公明党が唯一、議席を増やした。
選挙戦では公明の堅固な組織票が連立政権の絶対安定多数確保を下支えしている実態も浮き彫りになった。
こうしたことから、与党内で同党の存在感が一層増し、影響力が強まることも考えられる。
《「公明党の与党内での影響力」について英会話/ディスカッション》
今回の結果を受けて民主党は、国会などで与党との対決姿勢をさらに強める構えだ。
ただ躍進したとはいえ、政権を奪うまでには至らなかった。
来夏の参院選に向け、精密なマニフェストの策定に加え、弱点とされる中国、四国、九州など西日本での基盤強化も急務である。
<英会話/ディスカッション:政権交代に向けての民主党の課題>
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