アフガニスタン東部で日本の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の男性職員が武装グループに拉致された事件で、山本一太外務副大臣は27日夜、日本人男性と見られる遺体が同日発見され、本人であることを確認したと発表した。
<英語記事:アフガンで外国人が巻き込まれた事件>
この職員が所属するペシャワール会は、「誰もが行きたがらないところへ行く」を理念として83年に結成。
パキスタンのペシャワルやアフガンのジャララバード近郊での難民向け診療所の運営に加え、00年に大干ばつが起きてからは水源確保にも取り組み、1500カ所で井戸を掘り、農業用水路13キロを建設した。
[「ペシャワール会の活動」を英会話のトピックとして]
日本政府はアフガンに対し、総額20億ドルの支援を表明している。
《「日本のアフガン支援」に関して英語論説》
内容は医療・保健から農業、教育など多岐にわたり、国際協力機構(JICA)やNGOの多くがこれらの資金を使い、現地で支援活動を行っている。
現在、アフガンには援助関係者も含め約150人の日本人が滞在している。
外務省によると、アフガンで支援活動に当たっている日本のNGOはペシャワール会を含め9団体ある。
<英語にて解説:アフガンでの日本NGOの活動>
今回の事件を受け、日本人スタッフを他国へ避難させたり、帰国を検討するなどの動きが出ており、今後のNGOの活動への影響は避けられそうにない。
アフガンの治安情勢は悪化の一途をたどっている。
01年9月の米国同時多発テロ後、米国などの侵攻によりイスラム原理主義勢力タリバーンによる政権が崩壊したが、タリバーンは反政府勢力として盛り返して06年ごろから攻勢に転じ、駐留米軍や北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)に対し大規模な攻撃を繰り返している。
《「タリバーンの勢力回復の背景」について英会話/ディスカッション》
01年以降の米軍兵士の死者数は今月、累計で500人に達した。
今年に入ってからはすでに100人を超え、このままでは最悪のペースとなる。
〔英会話表現による言い換え〕
また今月18、19日には首都カブール近郊でフランス軍がタリバーンの襲撃を受け、戦闘で仏兵10人が死亡している。
こうした中、援助団体関係者の被害も急増している。
今年は7月までにNGO関係者19人が死亡しており、昨年の犠牲者数をすでに超えている。
<英会話:援助関係者の被害急増>
今月13日には、中部ロガール州で国際NGO「国際救援委員会」の外国人スタッフらがタリバーンに殺害された。
長年にわたる活動で地元の信頼を得てきたNGOの職員が拉致・殺害された今回の事件もタリバーンの関与が疑われており、タリバーンが駐留外国軍だけでなく、外国の援助団体も標的にし始めた実態が改めて浮き彫りになった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
テロとの戦いの主戦場となりつつあるアフガンは治安の悪化に歯止めがかからず、米欧各国はアフガン戦略の見直しを迫られている。
[「米欧の対テロ戦争の行方」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
NATOは4月、アフガン部隊の増派を決定。
米国でも大統領選を争う民主党のオバマ氏、共和党のマケイン氏とも米軍増派を主張している。
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