19日、イラクの首都バグダッドにある国連事務所で爆弾テロがあり、爆破でデメロ国連事務総長特別代表ら少なくとも20人が死亡、負傷者も100人を超えた。
<英語記事:イラクの治安をめぐる動き>
国連を狙ったテロ攻撃として過去最悪の惨事となった。
爆発はデメロ特別代表の執務室から15メートル離れた場所で起きており、同代表を標的としたテロの可能性が高いという。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
犯行声明は出ていないが、国際テロ組織アルカイダと関係するイスラム過激派「アンサール・イスラム」の関与が疑われている。
国連安全保障理事会は14日、イラクで活動してきた各機関を統合した国連イラク支援団(UNAMI)の創設を決めたばかりで、UNAMIの設立を機にイラク復興への国連の関与強化を図っていた。
その数日後に起こったテロ事件は、国連も米国と同様にイラクの抵抗勢力から敵視されている現実を突きつけた。
《「国連活動を標的としたテロ」について英会話》
安保理と国連報道官は19日、ともに爆弾テロを強く非難し、国連が今後も人道援助など復興支援を継続する決意を表明した。
一方、国連本部の職員評議会は、アナン事務総長に対し、イラクでの活動中止と職員の退避を申し入れた。
[「国連職員のイラク退去」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
国連はこれまで、治安や警備は米英の暫定占領当局(CPA)の責任と指摘してきた。
ジュネーブ条約によると占領国が治安の責任を負うとされているが、CPAは6月、国連施設や各国公館に対して安全の責任は持てないと通知していた。
このため、今後、米英軍の責任問題が浮上するとの見方もある。
<英会話/ディベート:CPAの責任問題>
抵抗勢力による米兵への襲撃は一向に収まる気配がない。
5月のブッシュ米大統領による戦闘終結宣言以降、米兵の犠牲者は60人を超えている。
米英軍だけでなく、イラクに駐留する外国軍はすべて攻撃にさらされる危険性が増している。
《「駐留外国軍の危険性」について英語にて解説》
16日には南部バラスでデンマーク軍が抵抗勢力と交戦し、同国兵が1人死亡した。
米軍当局は7月、フセイン元大統領の2人の息子を殺害。
19日には元副大統領を拘束したことを明らかにするなど指名手配の旧政権要人を次々と押えてきた。
抵抗勢力の士気の低下が期待されているが、それどころか活動は活発になっているようだ。
〔英会話表現による言い換え〕
国連事務所への爆弾テロは、これまで米軍への攻撃を繰り返してきた抵抗勢力の標的が無差別化してきたことを裏付けることにもなった。
<英語論説:攻撃対象の無差別化>
今月7日にはバグダッドのヨルダン大使館前で小型バスが爆発、17人が死亡した。
さらに、石油パイプラインや送電線、水道管など警備の薄いインフラ施設の破壊も拡大している。
日本政府は、テロの標的が米英軍だけでなく国連にまで拡大したことに衝撃を受けている。
政府は自衛隊派遣について当初、11月の派遣を念頭に今月中に現地調査団を送る予定だったが、現地の治安情勢悪化のため、月内の調査団派遣を見送っていた。
今回の事件で派遣は年明けにずれ込む公算が大きくなった。
[「自衛隊の派遣時期」を英会話のトピックとして]
|