26日、衆参両院本会議で行われた首相指名選挙で、小泉純一郎自民党総裁が第87代、56人目の首相に選出された。
同日夜、自民、公明、保守3党連立の小泉新内閣が発足した。
《「歴代の首相」について英会話》
小泉首相は党三役・閣僚人事において、「派閥にとらわれず、適材を適所に起用する」との方針を示し、派閥から推薦名簿を受け取らずに人事構想を練った。
その結果、党三役から最大派閥の橋本派が外れることになり、山崎拓幹事長、堀内光雄総務会長、麻生太郎政調会長という顔ぶれになった。
[「党三役からの橋本派外し」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
閣僚人事では非議員が3人入閣した。
構造改革の推進役を担う経済財政担当相には、小渕内閣の経済戦略会議や森内閣のIT戦略会議の委員を務めた竹中平蔵慶大教授が起用されたが、これは構造改革に対する首相の意欲を示すものといえる。
<英会話/ディベート:小泉首相の構造改革論>
女性閣僚が一挙に5人になったのは画期的なことだ。
最大の目玉は田中真紀子氏が外相に就任したことである。
[「田中真紀子氏の外相就任」を英会話のトピックとして]
ただし、外交手腕は未知数との見方が強い。
若手議員からは、中谷元氏が防衛庁長官に、党改革を唱える石原伸晃氏が行政改革担当相に抜擢された。
財務相には森派長老の塩川正十郎氏が起用された。
小泉首相が批判的な立場をとってきた橋本派からの入閣は参院を含め2人にとどまった。
橋本派を内閣と党三役から徹底的に外したことは新たな党内抗争を生みだし、政権運営が不安定になる可能性もある。
《「新たな党内抗争の可能性」に関して英会話/ディスカッション》
公明、保守両党との連立関係は維持されることになった。
首相は、憲法改正、集団的自衛権の行使の容認、靖国神社の公式参拝に意欲を示している。
これらの問題ではいずれも、連立を組む公明党の考えは首相と食い違っている。
3党の連立政権合意では相違点を当面、棚上げした形だが、これらの問題は今後、連立の火種になるだろう。
〔英会話表現による言い換え〕
首相の持論である郵政民営化問題でも、政権合意では「首相の私的諮問機関を設けて具体的な検討を進める」との表現にとどまった。
首相は自らの内閣を「改革断行内閣」とし、「構造改革なくして景気回復なし」のスローガンを掲げている。
首相は強い指導力を発揮して、政治主導の構造改革を進めていかなければならない。
そのためには中央省庁の再編に伴って大幅に強化された内閣機能を十分に活用すべきだ。
<英語記事:内閣機能の強化>
省庁改革によって、閣議での首相の発議権が認められるようになり、重要政策に関して首相に進言などを行う首相補佐官も3人から5人に増員された。
《「首相補佐官の役割」について英語にて解説》
内閣府に新設された経済財政諮問会議を活用すれば、首相主導で予算編成の基本方針を決定することも可能である。
また、官僚がお膳立てをして閣議はそれを追認する、といった従来のやり方を改め、実質的な政策決定の場として閣議を活性化することも政治主導にとって欠かせない。
[「閣議の活性化」を英語論説のテーマとして]
小泉首相は、あくまでも改革の姿勢を貫き、日本経済の再生に全力を尽くしてもらいたい。
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