27日から29日の3日間、北朝鮮の核開発問題などをめぐって、日本・韓国・米国・ロシア・中国・北朝鮮の6カ国協議が北京で行われた。
《「北朝鮮の核開発問題」について英会話》
北朝鮮の核問題をめぐる状況は緊迫の度合いを強めている。
1993年3月、北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言した。
<英語記事:北朝鮮のNPTからの脱退>
その後米朝協議が断続的に行われた結果、94年の第3ラウンド協議で核開発凍結の見返りに2基の軽水炉建設と年間50万トンの重油供給などを盛り込んだ「米朝枠組み合意」が成立した。
しかし、02年に北朝鮮のウラン濃縮による核開発計画が発覚し、これを追及する米国に反発した北朝鮮は核凍結を一方的に解除した。
また、北朝鮮が使用済み核燃料の再処理を開始したことを米政府が確認したことで、米朝枠組み合意は崩壊の危機に瀕することになった。
《「米朝枠組み合意の事実上の崩壊」に関して英語論説》
今年1月、北朝鮮は再びNPTからの脱退を宣言して瀬戸際外交を展開した。
4月に開催された米朝中の3者協議では、核兵器の保有を認め、使用済み核燃料の再処理を完了したと言明、核実験の可能性まで示唆した。
[「北朝鮮の瀬戸際外交」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
北朝鮮の言動はブッシュ米政権を強硬姿勢に追いやり、米朝関係の緊迫化をもたらした。こうした動きを受けて、初めての6カ国協議が開催されることになった。
協議の冒頭から米朝両国が激しい火花を散らした。
<英語表現の工夫:激しい火花を散らす>
北朝鮮が米国の敵視政策の放棄と不可侵条約の締結を要求すると、米国は北朝鮮の核開発計画の完全放棄が先決だとして要求を拒否し、金正日体制の保証や経済支援に関する具体的言及を避けた。
協議最終日には、朝鮮半島の非核化、核問題の段階的な解決、協議の継続など6つの合意事項を議長国中国が発表した。
対話による問題の解決を目指すことで全ての参加国が一致したが、次回協議について具体的日程や開催地は確定されなかった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
米朝間の対立が全く解けないまま、合意は協議を継続することなどにとどまり、緊張緩和に向けての実質的な成果を生み出すことはできなかった。
それでも、北朝鮮の核開発問題に利害関係と影響力を持つ国が顔をそろえて解決策を探る、新しい多国間協議の枠組みが構築されたことの歴史的意義は決して小さくないだろう。
《「6カ国協議開催の意義」に関して英会話/ディスカッション》
日本は全体協議の場で拉致問題を提起したが、北朝鮮側から特に反応はなかった。
<英語にて解説:拉致問題をめぐる日朝交渉>
2日目に行われた直接交渉でも、北朝鮮側は従来の主張を繰り返すだけで具体的回答を示さず、引き続き協議することで合意するのがやっとだった。
とはいえ、昨年10月から途絶えていた交渉の足がかりを得ることはできた。
中国やロシアは当初、全体協議で拉致問題を取り上げることに難色を示していたが、日本代表団は直前まで根回しに奔走した。
今後も、拉致問題で北朝鮮に譲歩が見られない限り、政府はこの問題を6カ国協議の中で繰り返し提起していく必要がある。
[「6カ国協議での拉致問題の提起」を英会話/ディベートのテーマとして]
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