18日、台湾の最高指導者を選ぶ総統選挙の投開票が行われ、最大野党・民主進歩党(民進党)の陳水扁・前台北市長が初当選した。
半世紀にわたり政権を維持してきた国民党は敗れ、台湾の政治史上初めて選挙による政権交代が実現した。
<英会話:台湾政治史上初の選挙による政権交代>
民主化が定着したことを示すものとして評価したい。
陳氏は国民党の分裂という絶好の機会を生かして当選した。
《「国民党の歴史」に関して英語にて解説》
今回、党公認で李登輝総統の後継指名を受けた連戦・副総統と、党を除名されて無所属で立候補した宋楚瑜・前台湾省長が国民党の支持層を二分し、陳氏が漁夫の利を得ることになった。
国民党長期政権の下で横行した暴力団の政治関与や汚職などの金権腐敗に対する批判も民進党の追い風となった。
<英語表現の工夫:追い風となる>
ノーベル化学賞を受賞し、李総統とも近かった李遠哲・中央研究院院長が、選挙戦の終盤で陳氏支持を表明したことも大きく影響した。
「一つの中国」の原則を堅持する中国は、「台湾独立」色の濃い民進党から総統が誕生することを警戒してきた。
《「台湾独立運動」について英語論説》
投票日直前には朱鎔基首相が「台湾が独立に動いた場合の武力行使」を表明して陳氏の当選を牽制したが、かえって反発を招き陳氏に有利に働いた。
陳氏は、「二国論」を盛り込んだ憲法改正や国号の変更など中国が警戒することを一切しないと公約している。
当選後の記者会見でも、中国との関係について「台湾海峡の永久平和を追求するのは我々の使命であり、天職」と述べ、中国への柔軟姿勢を示した。
[「陳氏の中国への柔軟姿勢」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
また、中国が求める「一国二制度」での統一については明確に拒否したものの、「5月の総統就任前に大陸を訪問し、意思疎通を図りたい」と中国側との関係改善を意識した発言をした。
《「一国二制度」について英会話/ディベート》
選挙結果を受けて中国は、改めて「いかなる形の台湾独立も絶対許さない」と警告した上で、しばらくは「台湾の新指導者」の今後の動向を見守るとの姿勢を表明した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
中国と台湾は、政治的な対立とは裏腹に、経済のつながりは強まる一方だ。
中台貿易や台湾企業による対中投資は年々拡大している。
[「中台経済関係の緊密化」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
経済的相互関係は今後、ますます深まっていくだろう。
中台両当局はこうした現実を認めなければならない。
日本政府は今後、中台関係の緊張が高まらないよう中国などに自制を促していく構えだ。
中国が「台湾独立派」と決めつける陳氏の当選がただちに中台危機に発展することはないが、両国間の火種は今後もくすぶり続けると政府は見ているようだ。
《「中台関係の行方」について英会話》
台湾で独立の気運が高まれば中国が武力行使も辞さないことは過去に実証済みだ。
4年前の総統選挙の際、中国はミサイル演習で台湾を威嚇した。
<英語記事:中国の台湾への威嚇>
それに対し台湾と防衛協力関係にある米国は空母を派遣した。
今後も中台の対立が先鋭化すれば米軍が介入してくる可能性が高い。
そうなれば日本は日米安保と日中友好の狭間で苦しい選択を迫られることになるだろう。
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