10日、世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は総会を開き、中国の加盟を承認した。
<英語にて解説:中国のWTO加盟交渉の経緯>
年内にも正式加盟が実現する見通しだ。
人口13億人を抱える世界最大の途上国が自由貿易体制に組み入れられることになった。
中国が1986年にWTOの前身である関税貿易一般協定(GATT)に加盟申請してから15年を要した。
中国は社会主義市場経済の名の下、「改革開放」政策を70年代末から堅持し、市場開放を進めて海外の資本と技術を積極的に導入してきた。
《「中国の改革開放政策の成果」について英会話》
上海から広東省にかけては情報技術(IT)産業の集積も進んで「世界の工場」が出現した。
90年代後半に入ると、中国のWTO加盟交渉の妥結への機運が加盟国に生まれ始めた。
米国同時多発テロで世界経済が減速し、世界同時不況への懸念が深まる中、経済発展を続ける中国のWTO加盟は世界経済の活性化につながるとして好意的に受け止められている。
[「中国WTO加盟の世界経済への影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
なんと言っても巨大な中国市場の魅力は非常に大きい。
今でも「人治主義」が幅をきかせている中国で国際ルールへの適応が進めば、投資の安心感も高まるだろう。
日本にとっても中国ビジネスが拡大するチャンスである。
《「日本企業の中国ビジネスの現状」に関して英語記事》
日本企業が特に注目するのは流通面の開放だ。
これまで外資系企業の販売店展開に課せられていた制限が今後は段階的に緩和され、いずれは独自の販売ネットワークを築くことが可能になる。
一方、貿易の壁が取り払われて、中国の輸出攻勢に拍車がかかるとの警戒感も強まっている。
〔英会話表現による言い換え〕
生産拠点の中国移転による国内産業の空洞化が加速する恐れもある。
WTOへの加盟を契機に中国は市場経済化の徹底に動き出し、経済の各分野で自由化と競争が一層進むにちがいない。
また、低賃金労働と向上した技術力に資本と貿易の自由化が加わることで、世界の工場としての地位はますます堅固になるだろう。
<英語論文:WTO加盟の中国経済への影響>
中国当局には2010年までに名目国内総生産(GDP)を2000年の2倍増にする国家目標がある。
そのためにはWTO加盟を呼び水として外資の一層の活用が必要とみているようだ。
<英語表現の工夫:呼び水とする>
WTO加盟によるGDP成長率の押し上げ効果は毎年1%程度になるとの試算もある。
WTO加盟に伴う懸念材料ももちろんある。
国際競争にさらされることで、国有企業改革は急を要する課題となる。
市場経済化の波に乗って開発を進めた沿海部と取り残された内陸部との経済格差は一層拡大することが予想される。
[「市場経済化に伴う経済格差の拡大」を英会話のトピックとして]
大胆な市場開放により農産物価格が低迷し、もともと過剰労働力を抱えていた農村から大量の人があふれることになるとの指摘もある。
通貨制度の問題もある。
人民元は通貨当局の管理の下、実質的な固定相場制を採用している。
これに対して周辺国からは、競争力に見合う水準への人民元の切り上げを求める声が高まっている。
《「人民元切り上げの可能性」について英会話/ディスカッション》
通貨制度の改革は中国にとって大きな課題である。
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