1日午前1時ごろ、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで火災が発生し44人が死亡、戦後5番目の大惨事となった。
犠牲者の多くが死因は一酸化炭素中毒だった。
《「建物火災での死因」について英会話》
店内の備品の材料に、燃えると煙が多量に出るプラスチックなどが多く使われていた可能性が高い。
焼けた面積はわずか約160平方メートルであるにもかかわらず、どうしてこれほど多くの犠牲者が出たのか。
〔英会話表現による言い換え〕
これまでの調べで、すでにいくつかの要因が指摘されている。
通りに面した窓は、広告が書かれたビニール製シートなどで覆われ、内側は内装が施されていたため、内外両側からふさがれていた。
非常階段はなく、1つしかない屋内階段は人一人が通れる狭さで、しかも一面にロッカーが多数置かれていた。防火扉は設置されていたが、機能しなかった。
[「雑居ビルの危険性」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
東京消防庁によると、新宿消防署が99年10月にこの雑居ビルを査察した際、3階などの入居店舗に対し、防火管理者の未選任や消防計画の未作成、消火・避難訓練の未実施など、8項目にわたって消防法違反を指摘した。
<英語記事:消防法違反8項目の詳細>
00年2月、3階の店舗から防火管理者の選任と防災訓練の実施が文書で報告されたが、残りの6項目については改善されず放置された。
指摘しても改善しない場合、行政指導の「警告」や強制力のある「命令」を出すことができるが、新宿消防署は同ビルについて「重大な違反」とは判定していなかった。
《「消防署の対応」に関して英会話/ディベート》
この雑居ビルが、防火管理の構造面での規制を設けている建築基準法に従っていなかったことも判明している。
<英語にて解説:建築基準法による規制>
同ビルは完成後に設計通りかどうかを調べる検査を受けていなかった。
検査を担当する都道府県や市区町村の人手不足から、検査を受けない建物が多いという。
建築基準法は、一定の建物の所有者・管理者に建物の構造や設備などの定期的な調査とその結果の報告を義務づけているが、同ビルの所有者はこれを守っていなかった。
同じ違反は雑居ビルやマンションで目立つという。
調査に数十万円の経費がかかることや、定期調査報告制度の存在自体を知らないことが主な理由だ。
こうしたずさんさの背景には、大きなビルに比べて小さな雑居ビルの規制が緩いことがあると指摘する声もある。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
今回と同じように雑居ビルで起きた火災として、118人の死者を出した72年の大阪・千日デパートビルの例がある。
《「千日デパートビル火災」について英語記事》
査察の際に、閉店後は防火シャッターを閉鎖するよう指導を受けていたにもかかわらず、デパートが従わなかったため火災が拡大した。
今回の火災の出火原因や火災当時の状況などは今後の調査を待たなければならない。
いったん出火すれば大きな被害が出る恐れのある雑居ビルは、全国どこの繁華街にも多数あるはずだ。
各自治体は早急にそうした雑居ビルの防火体制のチェックに取り組む必要がある。
<英会話/ディスカッション:雑居ビルの防火対策不備>
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