Speaking Sectionの構成
基本情報
スピーキングの試験というと、面接官との対話形式を思い浮かべる人が多いかと思いますが、TOEFL® iBTのSpeaking Sectionで受験者はマイク付きのヘッドセットを装着し、マイクに向かって解答を吹き込みます。 解答はデジタル録音され、インターネットを通じて米国のETSのネットワークへ送られ、3〜6名の採点官によって採点されます。
⇒受験環境について
このセクションに割り当てられた時間は20分で、計6つの課題があります。課題は1つの技能を使って解答するIndependent Tasks(独立型課題)と複数の技能を使って解答するIntegrated Tasks(統合型課題)から構成されています。
Independent Tasks(独立型課題) |
スピーキングのみ |
2題 |
自分自身の考えや経験に基づいて問題に口頭で答える。 |
Integrated Tasks(統合型課題) |
リーディング→リスニング→スピーキング |
2題 |
英文を読み、それに関連する会話または講義の一部を聞いてから、問題に口頭で答える。 |
リスニング→スピーキング |
2題 |
会話または講義の一部を聞いてから、問題に口頭で答える。 |
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課題の内容
・Independent Tasks(独立型課題)
1 |
スピーキング |
準備: 15秒、解答: 45秒 |
問題:あるテーマについて自分の好みとその理由を述べる。 |
解答の要点 理由を述べるときには例を挙げて詳しく説明することが重要です。 |
2 |
スピーキング |
準備: 15秒、解答: 45秒 |
問題:2つの対照的な行為についていずれかを選択し、その理由を述べる。 |
解答の要点 ここでも、理由についての具体的な説明が不十分ということにならないように注意しましょう。 |
・Integrated Tasks(統合型課題)
3 |
リーディング |
45秒 |
大学生活にまつわる英文(75〜100語)を読む。 |
英文は大学からの告知文が多いようです。内容は主に大学の規定の変更や決定事項などで、その理由や目的が述べられています。 |
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リスニング |
60〜80秒 |
英文の内容をめぐる2人の会話(150〜180 語)を聞く。 |
2人の一方が中心となって意見とその理由を述べ、もう一方がその聞き手に回ります。 |
▼ |
スピーキング |
準備: 30秒、解答: 60秒 |
問題:会話の中心である話し手の意見とその理由を述べる。 |
解答の要点 この課題の中心はリスニングの内容をまとめることです。リーディングの内容を説明することに時間をかけすぎないように注意しましょう。リーディングの内容については、最も中心となる事柄を述べるのに留め、理由や目的にまで触れなくても構いません。その代わり、リスニングの内容については、十分に時間をとって話し手の意見だけでなくその理由まできちんと説明することが重要です。 |
4 |
リーディング |
45秒 |
アカデミックなテーマに関する概論的な英文(75〜100語)を読む。 |
英文を短時間で読んで、その主旨を正確に把握しなければなりません。 |
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リスニング |
60〜90秒 |
同じテーマをより詳しく説明している講義の一部(150〜220語)を聞く。 |
ここで、英文のテーマに関して具体例や詳細な情報が与えられます。 |
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スピーキング |
準備: 30秒、解答: 60秒 |
問題:英文が採り上げているテーマについて講義の中の具体例を用いながら説明する。 |
解答の要点 具体例についてどれだけ情報を得ることができるかが大きなカギです。その意味で、聞き取り力がものをいいます。 |
5 |
リスニング |
60〜90秒 |
学生生活にまつわる問題点をめぐる会話(180〜220語)を聞く。 |
会話の中で2つの解決策が提案されます。 |
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スピーキング |
準備: 20秒、解答: 60秒 |
問題:問題点を簡潔にまとめた上で、2つの解決策のうちどちらかを選び、その理由を述べる。 |
解答の要点 2つの解決策について説明することは求められていません。解決策の説明に時間をとられて、肝心の自分の意見とその理由を述べる時間が足りなくなってしまわないように注意してください。2つの解決策に言及するのであれば、手短に済ませましょう。 |
6 |
リスニング |
90〜120秒 |
専門的な用語や概念に関して説明している講義の一部(230〜280語)を聞く。 |
英語に典型的な「抽象⇒具体」のパターンで話が展開し、多くの場合、説明の中で2つのポイントとその具体例が挙げられます。 |
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スピーキング |
準備: 20秒、解答: 60秒 |
問題:講義の内容について具体例を示しながらまとめる。
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解答の要点 リスニングの冒頭でテーマとなる専門的な用語や概念を正確におさえた上で、それに続く重要なポイントとその具体例をきちんと理解しなければなりません。 すべての詳細を聞き取る必要はありませんが、テーマに直接関係する細部は漏らさずに聞き取るようにしましょう。 |
サンプル問題(音声付き)はTOEFL公式サイトの下記のページからダウンロードできます。
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スコア
各課題の解答は採点基準表に従って0〜4点で評価され、各評価の平均点が統計処理によって0〜30までのスコアに換算されます。
⇒スピーキングの採点基準表で評価4の解答
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評価の基準
受験者の解答は、次の観点から評価されます。
■ 話し方 |
・流暢さ ・明瞭さ ・スピードの適切さ ・発音とイントネーションの正確さ |
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発音やイントネーション、スピードの点でいくつか難点があっても、全体として分かりやすければ減点されません。 |
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■ 言葉の使い方 |
・文法や語句の使用が効果的か ・文法運用力の程度 ・語句の使い方の適切さ |
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文法や語句の使い方が多少不正確であったり、小さな誤りがあったりしても、意味が不明確になって理解の大きな妨げになっていなければ減点されません。 |
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■ 話の展開の仕方 |
・話の一貫性 ・情報のまとめ方や要約の良し悪し ・話の展開の分かりやすさ |
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具体的で詳しい説明が足りないと話の展開が不十分と判断され、高い評価を得られません。 |
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参考資料: ETS作成のTOEFL® iBT Tips |
<注>「流暢に聞こえるには速くしゃべればよい」と勘違いして、話し方が不明瞭になってしまわないように注意してください。発音やイントネーションがきちんとできていない段階では、流暢さよりも明瞭さを重視する方が賢明です。
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スピーキングの採点基準表の例
Independent Tasks(独立型課題)の採点基準表で評価が4点の解答は以下の通りです。
■ 話し方 |
・スピードが適切で、流暢である。 ・話し方が明瞭である。 ・発音やイントネーションの点で些細な誤りや難点を含む。 |
■ 言葉の使い方 |
・意味を伝える上で文法や語句を効果的に使用している。 ・基本的な文法も複雑なものも自然に使いこなすことができている。 ・ちょっとした誤りも目立つが、それによって意味が不明確になってはいない。 |
■ 話の展開の仕方 |
・話が途切れることなく、十分に展開している。 ・話の組み立てが上手で、首尾一貫している。 ・話の展開がはっきりしている。 |
参考資料: ETS作成のTOEFL® iBT Tips |
受験環境について
テスト会場には防音イヤーマフが用意されていますが、他の受験者が解答している声が気になるかもしれません。これについて公式サイトは「他の受験者の声が全く聞こえないという会場はありません。TOEFL® iBTは実生活に近いテストです」と説明しています。確かに、私たちは普段でも常に何らかの音に囲まれて生活しています。それは実生活で英語を話す時も同じです。周囲の音を気にせず、自分の意識に集中するしかありません。
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