上級◇問題(24)
次の英文を日本語にしてください.通信技術革命について述べた文章からの一文です.
[STEP-4] 解説を読んで読み方のコツをつかみましょう.
The apparent simplicity of its use may lead us to think that we know everything we need to know about it,
but in fact we have been overtaken by E-mail without really understanding what it is.
1. The apparent simplicity of its use: これを「それの使用の見かけ上の簡単さ」としたのでは意味不明瞭ですね.
このような名詞を中心とする硬質な表現をすっきり理解するには解きほぐす必要があります.
"名詞構文,品詞変換で解きほぐせ"
それから必要なのが of や所有格には「所有」の他に「主語関係」や「目的語関係」を示す用法があるという知識.
apparent simplicity は simplicity (名詞)⇒ simple (形容詞),apparent (形容詞)⇒ apparently (副詞)と品詞変換をすれば「見たところ簡単であること」,
次に its use は use (名詞)⇒ use (動詞)と品詞変換をし,所有格の its を「目的語関係」を示す用法と考えて「それを使うこと」,
最後に両者をつなぐ of を「主語関係」を示す用法とすれば「それ(=メール)を使うことは見たところ簡単であること」とまとめることができます.
2. The apparent simplicity of its use may lead us: これも典型的な無生物主語構文ですね.
直訳は「メールを使うことの簡単さは人に…だと考えるように仕向けるかもしれない」となっていかにもぎこちないので
"無生物主語は副詞に,人目的語を主語に"
ということでしたね.
3. 離れていますが may と but は呼応して<may A but B>(A かもしれないが B)という相関構文(特に相関逆接と呼ばれる)を形成しています.
さらに in fact (ところが実は)という表現がありますが,これは「見かけなどと違って実際には」というニュアンスがあるので,前の apparent (見かけ上の)という語と響き合っていることがわかります.
(ちなみに,この apparent には「実はそうではないかもしれない」という意味が含まれています)
[解答例]
メールを使うことはだれの目にも簡単なことなので,人はメールについて知る必要のあることはすべて知っていると思うかもしれないが,
実は突然のメールの出現に,人はそれがいったい何なのかをよくわからないでいるのである.
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